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阪神期待のホープ・西純矢と井上広大、2019年ドラフト1・2位が覚醒間近?

2023 3/8 06:00SPAIA編集部
阪神の西純矢と井上広大,ⒸSPAIA
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西純矢が日本代表戦で4回7奪三振無失点

阪神の2019年ドラフト1位・2位コンビが成長の跡を見せている。同年1位の西純矢は6日に京セラドーム大阪で行われた日本代表戦に6回から4番手で登板。4回で63球を投げ、2安打7奪三振無失点の好投を見せた。

豪快な3ランを連発して度肝を抜いた大谷翔平は交代していたため対戦はなかったが、山川穂高から2三振、村上宗隆からも空振り三振を奪うなど「侍ジャパン」を相手に存在感を放った。

ドラフト2位入団の井上広大もアピールを続けている。2月26日の日本ハム戦で井口和朋からバックスクリーン左に放り込み、3月5日のオリックス戦では2022年ドラフト1位の左腕・曽谷龍平からレフトスタンドへ放り込んだ。

今春キャンプ中の対外試合も含めて4本塁打と爆発。バットに乗せて運ぶ打球は美しい放物線を描く。ホームランアーチストの資質は十分だ。

制球力アップで外角低めの被打率1割台

西純矢は創志学園高時代、奥川恭伸(星稜)、佐々木朗希(大船渡)、及川雅貴(横浜)とともに「高校BIG4」と呼ばれ、早くから注目されていた。

2019年ドラフト1位で入団し、2年目の2021年にプロ初登板初勝利。2022年は14試合に登板して6勝3敗、防御率2.68をマークした。5月18日のヤクルト戦では8番・投手として出場し、9回1失点でプロ初完投勝利を挙げた上、高橋奎二からプロ初本塁打を放つなど打撃センスも高いことで知られる。

2022年の投球データでは、ストレートの平均球速は147.8キロ。全体の45.3%をストレートが占めているが、フォーク、スライダー、カーブ、シュート、チェンジアップ、カットボールも操る。

球種別の被打率ではスライダーが.152と秀逸だ。ストライクゾーンを9分割したコース別の被打率は下の通り。

西純矢のストライクゾーン別被打率


投球割合15%以上を示す赤色に染まっている対右打者の外角低めは被打率.184、対左打者の外角低めは同.190と封じ込んでいる。投球の基本とされる外角低めにストレート、フォークをコントロールできていることが分かる。

高校時代は投げるたびに帽子を飛ばして闘志を剥き出しにする荒々しい投球が持ち味だったが、プロで正確なコントロールを身に付けて飛躍しつつある。

二軍で昨季11本塁打放った井上広大

井上広大は強豪・履正社高で2年秋から4番を任されたスラッガー。3年春のセンバツでは初戦の星稜戦で奥川恭伸に4打数無安打2三振と封じ込まれ初戦敗退したが、夏の甲子園では3本塁打を放つ活躍で同校初の全国制覇に導いた。

決勝の星稜戦では奥川から3ランを放ってセンバツのリベンジに成功。高校通算49本塁打をマークし、ドラフト2位で阪神に入団した。

一軍では通算8試合に出場したのみでいまだ本塁打はないが、二軍では2022年に11本塁打、70打点をマーク。4年目に入って覚醒の兆しを見せている。

阪神はリーグ1位のチーム防御率2.67を誇る投手陣は盤石だが、チーム打率.243(リーグ5位)の打線が課題。ドラフト1位で森下翔太を獲得したのも打線強化の一環だ。大山悠輔、佐藤輝明の和製クリーンアップは固定できそうだが、井上がそこに加わることになれば厚みが出ることは間違いない。

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