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【朝日杯FS】今年は荒れる番?穴馬探しのポイントは「前走人気」と「前走距離」

2020 12/15 06:00高橋楓
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偶数年は荒れる!?

朝日杯の名前を見ると1頭のサラブレッドの名前を思い出す。それは「マイネルマックス」だ。新馬戦3着の後、当時は出走できた折り返しの新馬戦、函館3歳ステークス、京王杯3歳ステークス、そして朝日杯3歳ステークスと破竹の連勝で佐藤哲三騎手、馬主のサラブレッドクラブ・ラフィアンに念願の初GⅠ制覇をプレゼントした。これ以降「3歳戦(現在は2歳戦)のマイネルは要注意」というイメージを強く脳裏に焼き付けられた1頭だった。

過去5年間の優勝馬ⒸSPAIA


2014年から阪神競馬場に移動してきた2歳王者決定戦。2018年には牝馬のグランアレグリアが1番人気という話題もあった。

阪神芝1600mのコース形態は、最初のコーナーまで約444m、最後の直線は約474mでゴール直前には高低差1.8mの急坂が待ち構えている。ゆったりとした流れになる事が多いコースで、直線での瞬発力勝負が求められる。

過去10年間の配当ⒸSPAIA


平均配当を振り返ると、馬連「4725円」3連単「84778円」となっている。1番人気は[4-2-1-3]で7頭が馬券に絡んでいる。不思議な事に、奇数年はかたい決着が多いのだが偶数年は荒れる事が多い。果たして今年はどんな結末が待っているのだろうか。

前走成績から振り返る!重賞好走馬には要注意!

過去10年 前走レースクラス別成績ⒸSPAIA


2歳馬のローテーションは近年で大きく変わってきている。2014年にこのレースが中山から阪神に移動、そして最大の変化はホープフルSが2014年に重賞化され2017年にはGⅠに昇格した事だろう。

このレースへ挑んでくる馬の目的も大きく変わってきているため、一概に傾向を出す事は難しいが「2歳マイル王」という称号は変わらない。その点を加味して、あえて近10年間のステップレースを分析すると重賞レースで馬券圏内だった馬が中心になる。

サウジアラビアRC組[2-1-1-3]、京王杯2歳S組[1-3-3-29]、デイリー杯2歳S組[1-2-1-17]、東スポ杯2歳S組[0-3-0-11]となっている。前走重賞レースで馬券に絡めなった馬の場合は前々走で、新馬勝ち、オープン勝ち、重賞3着以内ならば多少逆転の目もあるが、それ以外ならば厳しい結果になっている。

中山開催の時には1勝クラスからの活躍もあったが、阪神開催になってからは未勝利戦からベゴニア賞を連勝で挑んだ2014年ダノンプラチナ、2016年サトノアレスしか馬券に絡めていない。前走重賞上位勢を素直に信頼したい。

2歳戦の阪神マイルに強い騎手、種牡馬ランキング

阪神芝1600m 2歳戦限定 騎手リーディングランキングⒸSPAIA
阪神芝1600m 2歳戦限定 種牡馬リーディングランキングⒸSPAIA


次にレースが行われる阪神芝1600m外の中で、2歳戦に強い騎手を探してみた。2010年から2020年11月末日時点で延べ174レースが行われ、勝ち星1位は川田将雅騎手の[25-12-9-53]複勝率46.5%だった。2位は福永祐一騎手で[16-15-12-53]複勝率44.8%、3位はC.ルメール騎手で[13-8-9-19]61.2%となっている。

以下、浜中俊騎手[12-15-10-51]、岩田康誠騎手[10-8-11-54]と続く。ちなみに近10年間でこのレースを4勝しているM.デムーロ騎手は[8-9-6-26]複勝率46.9%というデータも覚えておきたい。

次に種牡馬に関してみてみると、1位はやはりディープインパクト産駒で[39-17-23-86]複勝率47.9%で圧倒的な数字を残している。今年はレコードで連勝してきたレッドベルオーブ、京王杯2歳S2着馬のロードマックスがスタンバイしている。以下、ハーツクライ産駒[13-7-10-59]、ダイワメジャー産駒[11-8-14-74]、ロードカナロア産駒[7-6-5-31]、キングカメハメハ産駒[5-13-4-53]と続く。

レッドベルオーブの相手探し?

やはり今年の注目馬はレッドベルオーブという事になるだろう。前走のデイリー杯2歳Sで、今回と同舞台である阪神芝1600mの2歳コースレコードを更新。前々走の中京マイルでは従来の記録を1.1秒も更新している。先にも紹介したが騎乗予定の福永騎手、ディープインパクト産駒が当舞台で功績を残している事も心強い。

相手を探す上で重要になるデータが2点あり、「前走4番人気以下」の馬は[0-1-2-42]で1連対にとどまっている事、もう一つは「阪神移設の2014年以降距離延長組」の馬は[0-2-3-38]と苦戦傾向にある事だ。この事を加味し、前走重賞で馬券圏内を確保したショックアクション、ジュンブルースカイ、ステラヴェローチェ、ホウオウアマゾンの4頭には注意をしておきたい。

《ライタープロフィール》
高橋楓。秋田県出身。
競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』にてライターデビュー。競馬、ボートレースの記事を中心に執筆している。

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