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【エリザベス女王杯】「良馬場」「先行有利の条件」で連敗に終止符を 阪神開催が味方する馬とは?

2020年エリザベス女王杯インフォグラフィックⒸSPAIA
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ⒸSPAIA

阪神芝2200mは京都より前有利

11月15日(日)に阪神競馬場でエリザベス女王杯が行われる。昨年の覇者ラッキーライラックや札幌記念を制したノームコア、昨年のオークス馬ラヴズオンリーユー、秋華賞から巻き返しに燃える3歳馬が多く参戦した。牡馬を蹴散らしてきた5歳馬が力を見せるのか、あるいは若い馬が世代交代を告げるのか。データを参照しながら買える馬を探っていく。

まずは阪神にコースが変わることで、京都の時と比べて傾向に差異が生まれるのかを調べる。今週は雨の予報がないため、過去10年の京都・阪神両コースの芝2200m、良馬場という条件での脚質別成績を比較した。

過去10年 京都・阪神芝2200m(良馬場)の脚質別成績比較ⒸSPAIA


後方から(4角10番手以下)で比べると、京都では【6-12-15-438】で勝率1.3%、阪神では【5-8-14-283】で勝率1.6%と、末脚だけの勝負でなかなか届かない点は共通している。

一方、逃げ馬(4角先頭)の成績が京都では【15-16-6-92】で勝率11.6%、連対率24.0%、複勝率28.7%に対し、阪神では【14-13-8-51】で勝率16.3%、連対率31.4%、複勝率40.7%。阪神の方が成績がいい。

京都は3コーナー過ぎの急な下り坂で一気にペースが上がり、かつ外回りで直線が長いため逃げ馬は粘りきれない事が多くなる。対して、阪神はスタート直後の坂を上った後は、平坦か緩やかな下り坂となっていて、かつ内回りで直線が短い。そのため京都のように急激にペースが上がることが少ない。

先行争いさえ制してしまえば逃げ馬にとっては楽なペースになりやすい。これが成績アップの要因となっているようだ。

今回のエリザベス女王杯の出馬表を見ると、確たる逃げ馬がおらずスローペースに落ち着く可能性が高い。その上、今週は阪神が2週目と開催日数も経っていないので、傷みの少ないきれいな馬場での開催が見込めるだろう。先行してしぶとく粘れるタイプの馬を探したい。

5歳以上は馬場適性が大事

過去10年の年齢別成績ⒸSPAIA


年齢別の成績では若い馬が優勢。3歳馬が【3-4-3-29】で勝率7.7%、連対率17.9%、複勝率25.6%、4歳馬が【6-3-6-45】で勝率10.0%、連対率15.8%、複勝率25.0%と好データ。一方、5歳馬は【1-2-1-48】で、勝率1.9%、連対率5.8%、複勝率7.7%と途端に数字が下がり、6歳以上で馬券に絡んだのは昨年のクロコスミアだけだった。

馬券になった5歳以上の5頭の内訳を見ると、2012年1着のレインボーダリアは洋芝の札幌・函館、もしくは重馬場でしか勝利しておらず、重めの馬場への適性が高い馬だった。この年の重馬場が見事にマッチした形。

また2010年2着のメイショウベルーガは京都で重賞を2勝、2017年3着のミッキークイーンは秋華賞勝ちの実績があり、2018年、2019年2着のクロコスミアは4歳時(2017年)にも2着に好走している生粋の京都巧者だった。

そうしたことからも、5歳以上で馬券に絡むためにはコースや馬場への高い適性を持っていることが重要になってくる。今年は阪神開催となるが、コース適性のある馬を探すべし、という傾向は変わらない。阪神で好成績を残している馬を探したい。

良馬場なら巻き返し可能、惜敗に終止符を

◎ラヴズオンリーユー
4歳馬が過去10年で6勝を挙げている点や、先行脚質が京都の時よりも優勢になる点を踏まえて、本命はラヴズオンリーユーに打った。昨年のエリザベス女王杯は2番手から競馬をして3着。今年の鳴尾記念は5番手からレースを進め、外から伸びてきたものの、パフォーマプロミスの強襲にあって2着と惜しい競馬が続いている。

前走の府中牝馬Sは重馬場に全く適性がないことを見せてしまった敗戦だが、良馬場が想定される今回は度外視していいだろう。阪神は2回走って1勝、2着1回の実績を持っている。デムーロ騎手の継続騎乗でいつも通りの先行策がとれれば巻き返しが可能だろう。1着を狙うなら休み明け2戦目で上がり目も見込める今回しか無い。

○ウインマリリン
秋華賞(15着)は、先行馬総崩れの展開に巻きこまれて大敗。休み明けで調整が不十分であったことや、当日のイレ込みが激しかったこともあって、こちらも度外視可能な敗戦だったと分析。

この馬も素早くポジションを取りに行ける先行力が大きな武器。また3歳馬も好成績を残している点に着目して、オークスのようにスムーズに走ることが出来たら巻き返しが十分可能と読む。ただ、阪神で走った経験が無く適性が分からないため、対抗までとした。

▲ラッキーライラック
今年の大阪杯の覇者で、札幌記念(3着)は宝塚記念のダメージが残っていたのか伸びきれなかった。5歳馬ではあるが、阪神ではGⅠ2勝と実績は折り紙付きで、年齢別の成績だけで消しと断定することは出来ない。しかし、去年のエリザベス女王杯以降は中団からの末脚勝負で好成績を残しており、先行する形が合わなくなっている可能性は高い。そのためこの馬も人気ほどの信頼はおけず、3番手とした。

☆ロサグラウカ
今回の出走馬で逃げ経験のある馬は、ウラヌスチャームとこの馬のみ。今回初めてブリンカーを着用してくるので、行きっぷりが増して逃げてくれれば展開的に面白い一頭。阪神の実績が無い5歳馬でデータ上は買えないが、想定では全く人気が無いので穴として推奨する。荒れるとしたらこのような馬の逃げ残りかもしれない。

消ノームコア
先述した4頭とは違って先行できない馬。札幌記念も最後の直線だけでラッキーライラックを差し切ったように末脚に賭けるタイプ。スローペースが見込まれる今回は展開が向かない可能性が高い。また阪神初出走で「コース実績の無い5歳馬」にも該当する。人気になっているが消しとする。(文:福山)

▽エリザベス女王杯▽
◎ラヴズオンリーユー
○ウインマリリン
▲ラッキーライラック
☆ロサグラウカ
消ノームコア

ライタープロフィール
京都大学競馬研究会
今年で25周年を迎える、京都大学の競馬サークル。馬主や競馬評論家など多くの競馬関係者を輩出した実績を持つ。また書籍やGⅠ予想ブログ等も執筆。回収率100%超えを目指す本格派が揃う。

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