1位は競合覚悟で本命を指名
今年は10月24日に開催されるプロ野球ドラフト会議。本番を明日に控える中、各球団の編成担当は当日に向けて候補選手の最終確認、絞り込みに追われていることだろう。
本記事ではそのドラフトに向けてSPAIAに掲載している「ドラフト歴代指名選手一覧」を使用し、球団ごとにどのような指名傾向があるのか、過去のドラフトから探ってみたい。今回は阪神編。
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はじめに、全体の指名傾向を見ていく。2004年以降、阪神は合計143人(育成含む)の選手を指名しており、そのうち投手が76人で全体の約53%と、投手が半数以上を占めている。高校生、大学生、社会人(独立リーグ含む)の割合は、それぞれ約36%、40%、24%と、大学生の指名が多く、社会人が少なめの傾向にある。
2004年以降の各分類別指名人数
次に、より具体的に近年の傾向を探るため、2014年以降の過去10年間において、上位指名(3位以上)を中心にどのような傾向があるのか見ていく。
まずは1位指名について。阪神は2014年からの10年間で8度競合しており、一番いい評価をした選手を競合覚悟で指名していると考えられる。ただ、昨年は青学大・下村海翔を単独指名。大山悠輔を獲得した2016年以来7年ぶりの一本釣りだった。
競合した場合の「くじ運」は、2勝6敗とあまり良くない(再抽選も含めると3勝9敗)。また、くじを外した場合は、2018年に藤原恭大→辰己涼介→近本光司と指名したように、同じポジションの選手を指名し続ける傾向にある。
過去10年のドラフト1位指名
ポジション別でみると、投手が5人、野手は内野手2人、外野手3人で捕手の指名はなし。基本的に上位での指名があまりない外野手の1位指名が多い。補強ポイントを重視する傾向にあり、足りないポジションの候補選手がいれば、高い順位で積極的に指名していることがうかがえる。