7月は打率.345と急上昇
7月は9勝4敗と好調を維持し、今季ここまで43勝45敗2分けでリーグ3位につける阪神。巻き返しを狙うチームを牽引しているのが、6月22日以降トップバッターとして起用され、リーグ2位の108安打、リーグ3位の16盗塁をマークしている中野拓夢だ。
開幕当初から2割7~8分台と打率は安定していたが、7月は.345と急上昇。2番の島田海吏、3番の近本光司とともに駆使する機動力は相手にとって脅威となっている。
7月は9勝4敗と好調を維持し、今季ここまで43勝45敗2分けでリーグ3位につける阪神。巻き返しを狙うチームを牽引しているのが、6月22日以降トップバッターとして起用され、リーグ2位の108安打、リーグ3位の16盗塁をマークしている中野拓夢だ。
開幕当初から2割7~8分台と打率は安定していたが、7月は.345と急上昇。2番の島田海吏、3番の近本光司とともに駆使する機動力は相手にとって脅威となっている。
球種別打率を見ると、対直球の打率が昨季の.269から今季は.305に上昇。対スライダーの打率は、昨季の.250から今季は.379と大幅に上昇している。また、昨季も.342と打ち込んでいたカットボールの打率も、389と上昇。これらの球種を投げる割合が高い投手は多く、中野がある程度の打率をキープできる要因の一つだろう。
一方、昨季は.375とハイアベレージを残していた対フォークの打率が、今季は.179に大幅に低下。対カーブは.292、対ツーシームは.316とフォーク以外の球種は打てているため、フォークさえある程度対応できれば、シーズン打率3割も狙えるはずだ。
課題は.307と物足りない出塁率。昨季も.321(打率.273)と出塁率が伸びなかったが、トップバッターとしては打率+1割ぐらいの出塁率があれば理想であり、最低でも.350(現在の打率.289)前後はキープしたいところだ。
打球方向データを見ると、中堅が24%と最も多く、次に22%の右中間、左中間と右翼が19%、左翼が17%と、広角に打ち分けていることがわかる。特にセンター返しの意識が常に高いことが読み取れ、その意識の高さがあらゆる球種への対応力につながっているのだろう。
また、俊足好打の近本は似たタイプのプレーヤーであり、最多安打や盗塁といったタイトルを争うライバルでもある。互いに刺激を与えあえるだろうし、2人の相乗効果がチームにも好影響を与える。
前述したように、中野は7月に打率が急上昇しているが、6月22日にトップバッターを任されてから当たり始めた。同日は3安打を放ち、以降8試合連続安打をマーク。猛打賞やマルチ安打も多く見られるようになっており、打撃の積極性も含めて1番が性に合っているのかもしれない。
一方、近本も3番がフィット。球団タイ記録となった30試合連続安打も放ち、得点圏打率が.324と高いこともクリーンナップに相応しい。トップバッターの中野がチャンスメイクし、3番の近本が返すというパターンを今後も数多く見られることを期待したい。
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