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オリックス・杉本裕太郎、未完の大砲が昨季覚醒した秘密に迫る

オリックスの杉本裕太郎,ⒸSPAIA
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ⒸSPAIA

弱点だった高め直球を得意ゾーンに

2015年のドラフト10位でオリックスに入団した杉本裕太郎。6年目の昨季は自身初めて規定打席に到達し、リーグトップの32本塁打を記録。本塁打王に加えてベストナインにも輝くなど、チームの25年ぶりとなるリーグ優勝に大きく貢献した。今回は、30歳にして初タイトルをつかんだ遅咲きの大砲にスポットを当ててみたい。

2016~21年:打撃成績,ⒸSPAIA


杉本の打撃を球種別で見てみると、昨季はストレートに対して打率.350をマーク。長打率.635とともに、パ・リーグの規定打席到達者ではトップの数字を残した。これほど大幅にアベレージを上げることができたのは、なぜだろうか。

2020・21年:球種別打率,ⒸSPAIA


その要因は、高低別のデータを見てみると一目瞭然だ。中嶋監督の就任とともに出場機会を得た2020年は、高めの直球に18打数1安打とほとんど対応できなかった。しかし昨季は、同じボールに対して74打数29安打を記録。弱点を克服するにとどまらず、一気に得意ゾーンへと変えてみせた。

2020・21年ストレートの高低別打率,ⒸSPAIA

打球に角度つけ本塁打量産

杉本自身は、「振りすぎるとコンタクト率が下がってしまう」、「本塁打を狙いすぎず、ボールをぎりぎりまで見る」など、どちらかといえば確実性を意識したコメントを多く残している。だが、それによってバッティングが小さくなることはなかった。昨季のフライ打球の割合は、高めと低めのゾーンで前年から約18ポイントも上昇。角度をつけた打球が増え、打撃のスケールはむしろ大きくなったといえる。

2020・21年:高低別フライ割合,ⒸSPAIA


フライ打球に占める本塁打の割合を示すHR/FBでリーグ2位にランクインするなど、トップクラスのパワーを持っている杉本。フライの割合が増加したことでスタンドインする打球も増え、本塁打王獲得につながった。

2021年パ・リーグ:HR/FBランキング,ⒸSPAIA


2019年までの4シーズンは通算本塁打数が単打の数を上回るなど、少ない出番の中でスラッガーの片りんをのぞかせていたが、昨季はついに潜在能力が開花。「ラオウ」の愛称にふさわしい迫力のある打者となった。今季もアーチを量産し、チームを「一片の悔いなし」の日本一へと導きたい。

※文章、表中の数字はすべて2021年シーズン終了時点


企画・監修:データスタジアム
執筆者:秋山 文

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