孤高の天才!飯伏幸太とは?
プロレスのイメージを聞くと、過去のプロレスを想像する人が多い。
野蛮で怖いイメージもあれば、中にはパイプ椅子などの凶器攻撃をイメージする者も少なくない。
しかし、飯伏幸太というレスラーは、過去のプロレスの概念を覆すレスラーだ。スマートに鍛え上げられた肉体、清潔感のある佇まい、そして、型破りなファイトスタイル。過去のプロレスにはなかった要素を併せ持つ彼は、まさにゴールデン☆スターという異名がふさわしいだろう。
「プロレスを広めるのが、僕の使命」と公言する彼の魅力を、得意技やファイトスタイルから紹介していきたい。
鋭すぎるメインウェポン!破壊力抜群の「蹴り」!
レスラーにはそれぞれ主となる打撃技があり、飯伏選手は蹴りを使用している。バックボーンが空手ということもあり、切れのある蹴りには定評がある。スラリと伸びた足から繰り出されるミドルキックは、映像でもその破壊力がうかがえる。
強さだけではない。そのフォームの美しさは一際目を引く。例えば、ドロップキック。高身長のレスラーが多く所属する新日本プロレスにおいても、飯伏選手のドロップキックは的確に顎を捉えて放たれる。
G1 CLIMAX 27 (2017年7月29日) 第7試合 バッドラック・ファレ戦では、身長193㎝もあるファレ選手の顎を目がけてドロップキックを放ち、試合の流れを変えるきっかけをつくった。飯伏選手の身長は181㎝。つまり、自分の身長よりも高く飛んでいることになる。凄まじき身体能力だ。
また、現在のフィニッシャーとしては、蹴り技を使用している。G1 CLIMAX 27 (2017年8月1日) 第10試合 棚橋弘至戦で初披露された新技「カミゴェ」だ。両手を掴んだまま膝を顔面に叩きこむという、シンプルかつ危険な技だ。
プロレスの技には、必ず受け身を取れるポイントがある。選手達はそのポイントを探りながら受け身を取る。しかし、カミゴェは完全に受け身を取れないようにロックされたままで、全力の膝が顔面を捉える。「神」と敬意を表し、絶対的エースである棚橋選手を葬ったことにより命名されただけある、説得力十分な蹴り技だ。
試合を観戦される際には、是非とも飯伏選手の放つ美しく、そして重い蹴りに注目していただきたい。
飯伏選手の代名詞!華麗な飛び技!
プロレスの技には「打撃」「関節」そして「飛び技」がある。もともと軽量級の選手だったこともあり、飯伏選手の代名詞と言えば、飛び技と答えるファンが大半だろう。
三角飛びプランチャーは、彼がインディー団体に所属している時から使用していた場外への飛び技だ。場外に飛ぶ技は、多大なダメージを与えることはできるが、自分にもダメージが及ぶ。しかし、彼は躊躇なく場外に向かってワンステップで後方宙返りをしてみせる。食らう側には大ダメージだが、本人はすぐに立ち上がり、拳を上げて観客を盛り上げる。
また、レスリングどんたく2018 (2018年5月3日) 第8試合 Cody戦では、鉄柵外に出て攻撃を回避しようとしたCodyに対し、スワンダイブ(リングのトップロープに飛び乗る技)で場外に飛び込み、攻撃に成功している。鉄柵外までの距離は2メートル以上、トップロープからの高さは約3メートル。飛び技が得意な選手は多いが、これほど危険な技を軽々やってみせる飯伏選手のポテンシャルには脱帽である。
彼の使用する飛び技は数が豊富だ。試合の中では様々な飛び技を見ることが出来る。ムーンサルトから始まり、その場飛びのシューティングスタープレス、フェニックススプラッシュ、ファイヤーバードスプラッシュ等々、どの技もフォームが美しく、まるでリング上を舞っているかのようにも見える。
プロレスは力だけが全てではない。それを体現しているのが、まさに飯伏選手と言える。
G1クライマックス覇者大本命!飯伏選手から目が離せない!
プロレスというスポーツは、常に進化している。かつてのプロレスのイメージがこびりついた人には、是非とも飯伏選手の戦いを見て欲しい。
8月に行われるG1クライマックスでは、盟友であり、66代目IWGPヘビー級王者であるケニー・オメガ選手との6年ぶりの一戦も控えている。あまりに危険な攻防が繰り広げられた過去の試合を塗り替えるべく、お互い気合を入れて調整しているはずだ。
今後とも、進化したプロレスを追及し続けている飯伏選手から目が離せない。