最下位からの脱出を目指し3人の外国人選手を補強
2019年シーズンのオリックスは序盤から低迷し、一時的に3位争いに顔を出したものの結果的には最下位に終わった。そのなかで山本由伸、山岡泰輔と若い投手二人がひとり立ちし、榊原翼も頭角を現してきたことで投手陣には光が見えてきた。次はリーグワーストとなる544得点をいかにアップさせるかが大事になってくる。
その得点力不足を解消すべく、このオフシーズンに大きな補強を行なった。MLB通算1939安打、282本塁打のアダム・ジョーンズを獲得したのである。ジョーンズは7年連続25本塁打以上を記録し、ゴールドグラブ賞も4回受賞した攻守揃った右の外野手。
昨シーズンは平野佳寿と同じダイヤモンドバックスで137試合に出場しており、衰えが激しい状態で日本にやってきたわけではない。西村徳文監督も「ジョーンズを4番に置いて、(吉田)正尚を3番に置く打線を作りたい」と来日早々に主軸としての期待を寄せている。
その他にもMLBでの実績はないが、長打力に優れた右の長距離砲であるアデルリン・ロドリゲス内野手も補強。投手陣では190センチの長身から投げ下ろすスタイルの中継ぎ、タイラー・ヒギンスも迎え入れている。
MLB屈指の大物外野手、長距離の内野手、中継ぎ右腕を外国人で補強し、最下位からの反攻を狙う。
ジョーンズ、ディクソンら6人で争う外国人枠
ジョーンズ、ロドリゲス、ヒギンスと3人の外国人選手が加入し戦力はアップした。とはいえ、スティーブン・モヤ、アンドリュー・アルバース、ブランドン・ディクソンの3人が残留しており、4つの外国人選手枠を6人で争うことになる。
現時点で確定的なのはジョーンズと守護神のディクソンの2人。残りの2枠を4人で争うことが濃厚だ。野手のモヤとロドリゲスはともに長打力を補うための心強いピース。得点力不足に泣いただけにジョーンズを含め、野手3人をスタメン起用してもおかしくはない。そこに吉田正尚が加われば、破壊力は一段と増すことになる。
一方の投手では、アルバースが先発、ヒギンスは中継ぎとなる。先発投手は山岡、山本の両右腕がおり、榊原にK-鈴木、竹安大知、荒西祐大、張奕 、田嶋大樹らが続いている。頭数は揃っているものの、エース格の2人以外は年間を通じて戦った経験がなく盤石とは言い難い。また、左腕も田嶋ひとりだけ。来日3年目となる左腕のアルバースがローテーションに加わると、この上ない助けとなる。
ディクソンにつなぐ中継ぎは増井浩俊、近藤大亮、吉田一将、比嘉幹貴らの名前が挙がってくる。実績のある増井に7回、8回を任せることができれば、大きな不安はなくなってくる。そう考えるとアルバースのほうが投手陣では優先順位が高そうだ。
西村監督はそれぞれ役割の違う6人の外国人選手をどのように起用していくのだろうか。
漆原大晟は支配下登録を勝ち取ることができるか
オリックスは2021年シーズンから三軍制を敷くことをすでに発表している。その準備として昨年のドラフト会議では8人の育成選手を指名。残留した選手を含め、育成契約の選手が16人の大所帯となった。
まず彼らは支配下登録を目指すわけだが、そのなかで開幕前にでも昇格しそうな選手がいる。今年2年目となる漆原大晟だ。昨年は二軍で39試合に登板し23セーブをマークし、最多セーブに輝いた。このオフにはプエルトリコのウインターリーグに参戦。13試合(11.2回)に登板し、防御率0.77とここでも結果を残した。
支配下登録されれば、中継ぎとして一軍入りを果たしてもおかしくはない。昨年は周東佑京(ソフトバンク)が、開幕前に支配下登録を勝ち取り、大ブレイクを果たした。漆原も春季キャンプ、オープン戦で結果を残すことができれば、可能性はある。
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