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プロレスがもっと面白くなる!外せない「基本用語」をチェックしよう

2017 1/10 14:42
Professional wrestling ring
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Photo by Hurst Photo/Shutterstock

プロレスもほかのスポーツと同様に、よく使われる用語を知っていればもっと面白くなるスポーツです。 実況中継や取材記事ではプロレス独特の用語が多用されます。 「初心者はこれをおさえておけばOK!」、そんなプロレスの基本用語を簡潔にまとめました!

プロレスの二大潮流「ストロングスタイル」と「王道プロレス」

日本プロレス界においては、ジャイアント馬場選手、そしてアントニオ猪木選手が育てた全日本プロレス、新日本プロレスという二大団体があります。馬場選手と猪木選手は同じ団体で戦う盟友でしたが、猪木選手が新日本プロレスを立ち上げるとき、全日本プロレスに対抗するため編み出したのが「ストロングスタイル」です。猪木選手は、どんな格闘技が相手でもプロレスが勝つという「プロレス最強論」を看板に、ひたすら強さを求めていったのです。
他方、馬場選手の「王道プロレス」では、ストロングスタイルよりもショー的要素に比重を置きました。相手の攻撃は原則としてすべて受け止め、痛みに顔をゆがめるさますらも試合の一部とみなしました。これを馬場選手は「明るく楽しく激しいプロレス」と表現しています。
ストロングスタイルは「レスラー自身のためのプロレス」であり、王道プロレスは「レスラーだけでなく観客も巻き込んだプロレス」といえるでしょう。

リング上はまるで劇場!「ヒール」と「ベビーフェイス」

プロレスの試合がときに「~劇場」と称されるのは「ヒール」と「ベビーフェイス」の存在があるから。悪玉であるヒールは、善玉であるベビーフェイスを徹底的に痛めつけ、その苦痛にゆがむ様子を見たファンが悲鳴をあげる。でも最後にはベビーフェイスがヒールを必殺技で倒す……これが伝統的なプロレスの流れであるとされてきました。
現代のプロレスでは、必ずしもベビーフェイスが勝つわけではありませんが、「ヒール」と「ベビーフェイス」という相反する役者があるからこそプロレスが面白くなるというストーリーは変わりありません。

プロレスの2大フィニッシュ「バックドロップ」と「ジャーマン」

プロレスの顔ともいうべき技とは何かと聞かれたら、ほとんどの人がこの2つの技の名をあげることでしょう。「バックドロップ」と「ジャーマンスープレックス」です。前者は伝説的レスラー、「鉄人」ルー・テーズが世に広めた必殺技です。後者は「プロレスの神様」と呼ばれたカール・ゴッチが得意とした技でした。
すべてのプロレスラーには「フィニッシュ・ホールド」、つまり試合の勝敗を決する必殺技があります。「必殺」というくらいですから、相手が立ち上がれないほどの深いダメージを与える技でなくてはなりません。したがって、必然的にフィニッシュ・ホールドの多くが相手の「頭部」を攻撃する技になっています。その源流にあるのがバックドロップ(別名「岩石落とし」)であり、ジャーマンスープレックス(試合中は単に「ジャーマン」と呼ばれます)なのです。
どちらも相手の体を背後から抱えて、後方に投げ飛ばし、頭部をマットに叩きつけるスタイルをとります。

プロレスの本質を表す言葉「八百長」と「ガチンコ」

プロレスは「八百長」と「ガチンコ」が共存するエンターテインメントです。「八百長」といっても、お金を渡してどちらかの勝ち負けを決めるという意味ではありません。たとえばプロレスには「お約束」があります。「試合がスタートしてから最初に受ける相手の技を絶対によけない」、「相手の必殺技を一度くらっただけでフォール負けするような無様な姿は見せない」……。プロレスにおける「八百長」は、すべて試合を盛り上げるためのものです。
他方「ガチンコ」もないわけではありません。相手選手が執拗に同じ場所を攻撃したきたときなどに、普段は温厚なレスラーが我を忘れて相手選手をボコボコにしてしまうこともあります。プロレスといっても人間のやることですので、暗黙のルールを忘れてしまい、ガチンコになってしまう場合もあるということですね。

使う選手によって名前が変わる「プロレス技」

現役時代は主に全日本プロレスで「最強の外国人レスラー」として君臨したスタン・ハンセン選手。彼のフィニッシュ・ホールドが「ウエスタン・ラリアット」です。アメフト選手だった経験から生み出された技で、自分の腕の内側部分を相手の首付近の急所に巻きつけるようにぶつける技です。
実はこれとまったく同じか、わずかに改変したような技を多くの選手が必殺技としています。アメリカマット界のスーパースター、ハルク・ホーガン選手のアックス・ボンバーや、日本プロレス界のエース、オカダカズチカ選手のレインメーカーもその一例です。
ボクシングのジャブやフックは、誰が使ってもジャブでありフックですよね。しかし、プロレス技は使う選手によって微妙に名称を変えて広がっていくのです。これはプロレスならではの用語法といってよいでしょう。

まとめ

プロレスにはたくさんの用語がありますが、選手たちの強烈な個性や印象的な試合とセットでチェックすると、案外覚えるのは簡単です。 プロレス観戦をもっと面白くするために、ご紹介したようなプロレスの基本用語を覚えてみてはいかがでしょうか!