同日の3勝クラスと差のない勝ちタイム
小倉ではキラーアビリティ(栗東・斉藤崇史厩舎)が従来の2歳レコードを1.7秒も更新する衝撃の走りを見せた。そして新潟ではキタサンブラック産駒のイクイノックス(美浦・岩戸孝樹厩舎)が1:47.4という好タイムで6馬身差の圧勝、さらに新潟2歳Sはセリフォス(栗東・中内田充正厩舎)が最内から抜け出して後続に1.1/4馬身差をつけて勝利とハイレベルなレースが繰り広げられた。
そうした中で今回取り上げるのは、8月28日(土)の新潟6Rを勝利したソネットフレーズ(美浦・手塚貴久厩舎)。父はエピファネイア、母はボージェストで母系を遡ればアドマイヤグルーヴ、エアグルーヴ、ダイナカールへと繋がっていく良血馬だ。その血統に違わぬ走りで勝ちタイムは1:34.3、新馬戦としては破格のタイムをマークした。
少し伸び上がるようなタイミングでのスタートとなったが、すぐにポジションを押し上げて2番手へ。直線へ向いて徐々に馬場の真ん中へと進路を取るが、鞍上のルメール騎手の手は動かず持ったまま。残り400mの標識を過ぎてようやく追われ、さすがに最後は苦しくなったのか手前を変えた後、ヨレてバランスが崩れていたが、後続に3.1/2馬身差をつけた。
レースラップを見るとスタートから向正面部分は12.5-11.1-11.8(35.4)、3~4角のコーナー部分では12.2-12.2とほとんどラップの緩みはなし。このラップを逃げ馬から終始1馬身差以内で追走していながら、直線は11.6-11.0-11.9(34.5)でまとめている。
同日の長岡S(3勝クラス)は1:33.9で決着しており、わずか0.4秒差。前半3ハロン35.4は全く同じで長岡Sのコーナー部分がやや速い程度だっただけに、同世代のマイル戦ならGⅠでも勝ち負けできるレベルにあると言える。暮れの阪神JF、来年の桜花賞に向けて楽しみな逸材──。“ソネットフレーズ”という名前は覚えておいたほうがいいだろう。