「スポーツ × AI × データ解析でスポーツの観方を変える」

【札幌記念】ラッキーライラック、ノームコアなどが参戦 馬券的に狙うはGⅠ大敗馬

2020 8/20 06:00鈴木ショータ
札幌記念前走クラス別データインフォグラフィックⒸSPAIA

ⒸSPAIA

前走GⅠ出走組が巻き返す

「スーパーGⅡ」とファンの間でも言われているように、毎年GⅠ級のメンバーが顔をそろえハイレベルなレースになるのが札幌記念だ。1着賞金は7000万円とGⅡ競走の中では最高額であり、GⅠ阪神JF(6500万円)よりも高い。この賞金をヒントに、有効な馬券術も考えることができる。

限りなくGⅠに近いレベルになるため、実際にGⅠに出走していた馬の期待値が高い。前走のクラス別成績を見ても重賞以外だった馬は1頭も絡んでおらず、レベルの高いクラスで走っていた馬ほど好走率も高い。

前走でGⅠを使っていた馬は複勝率も44%と高く、そのうえ複勝回収率も100%。登録馬のなかで該当するのはトーセンスーリヤ、ノームコア、ブラックホール、ペルシアンナイト、マカヒキ(回避予定)、ラッキーライラック。

「GⅠを使っていた馬が強い」というのは当然と言えば当然の話かもしれない。しかし、穴はこの中にひそんでいる。GⅠを使っていた馬の中でも穴となるのが、大敗していたパターンだ。GⅠでの着順別成績は以下のようになる。

前走GⅠでの着順別成績ⒸSPAIA

GⅠで10着以下に大敗していた馬でも【0・1・4・8】、複勝率38.5%と、そこそこ高い。それにも関わらず、大敗していた馬は不当に人気も落とすため複勝回収率は143%とかなり優秀になる。宝塚記念で11着、15着と大敗していたマカヒキ(回避予定)、ペルシアンナイトの2頭も決して侮らない方がいいだろう。

瞬発力よりも持久力を重視

札幌競馬場はJRA競馬場の中でも2番目に直線が短く、269.1m(札幌記念開催時のCコース)しかない。騎手心理としても仕掛けが早くなる傾向にあり、例年ハイペースの持久力勝負になっている。

数値的に表すと、前半1000mは59.6秒に対し後半1000mは60.4秒と後半の方が1秒近く遅くなる。同じ2000m戦である以下の2レースと比較しても、ペースが速いということがお分かりいただけるだろう。

札幌記念59.6秒ー60.4秒=-0.8秒
大阪杯61.1秒ー58.7秒=+2.4秒
天皇賞(秋)59.1秒ー58.6秒=+0.5秒
(過去10年の良または稍重のみ)

ペルシアンナイトは昨年の札幌記念で5着。力みが目立つ走りだったが、1600m→2000mの距離延長だったことに加え、初ブリンカーが裏目に出てしまった。実際、今年に入ってブリンカーは外している。昨年と違い、今回は2200m→2000mへの距離短縮で出走。昨年(5着)以上に好走できる下地はそろっている。

3歳馬のブラックホールは、洋芝では②①①着とパーフェクト連対。父のゴールドシップは札幌記念で2着に敗れたが、産駒は洋芝の札幌&函館で単勝回収率145%、複勝回収率109%。とにかく見つけたら買って損はない。

初重賞制覇となった札幌2歳Sは前半60.6秒、後半62.1秒で札幌記念に似たペースバランスだった。これまでも上がり3Fで33秒台を出したことがない持久力型で、洋芝適性、札幌記念のペース適性は高そうだ。

ライタープロフィール
鈴木ショータ
競馬伝道師。競馬エイトトラックマンを経てフリーに。オリジナルのweb競馬新聞「PDF新聞」を毎週発行。根っからの大穴党で、馬券格言は「人の行く裏に道あり”穴”の山」

 コメント(0件)