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巨人・モタは支配下を勝ち取れるか これまでに活躍した育成出身の外国人野手は?

2020 2/18 11:00勝田聡
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モタが二次キャンプの切符をゲット

育成契約の選手たちにとってこの春季キャンプは勝負の場所となる。それは外国人選手であっても同じこと。開幕から一軍での出場機会を得るため、必死に汗を流している。

なかでも巨人のイスラエル・モタは春季キャンプ序盤の紅白戦で結果を出し、二次キャンプ地である沖縄行きの切符を手に入れた。2月15日のサムスン戦でもマルチ安打と勢いは衰えない。現時点で巨人で支配下登録されている外国人野手は、ヘラルド・パーラひとりだけ。これから行われるオープン戦の結果次第では、支配下登録そして開幕一軍も十分にありえるだろう。

巨人で育成契約から這い上がった選手を振り返ってみると、外国人野手は多くない。近年だと2018年途中に支配下登録されたホルヘ・マルティネスひとりだけ。そのマルティネスも2年間で打率.174の成績に終わっており、結果を残したとは言い難い。

投手では昨シーズン8勝を挙げ、今シーズンも先発ローテーション入りの期待がかかるクリストファー・クリソストモ・メルセデスが育成上がりの筆頭格。その他には2011年に41試合に登板したレビ・ロメロ、2009年に6勝を挙げたウルフィン・オビスポらの名前が挙がる。

他球団ではヘロニモ・フランスア(広島)やリバン・モイネロ(ソフトバンク)らが今シーズンも主力として期待されている。育成契約から支配下登録を勝ち取った外国人選手は、野手に比べると投手の方が結果を残している選手が多いようだ。

バルディリスがNPB通算93本塁打

外国人野手で育成契約から支配下登録に移行し、結果を残した選手としてはアーロム・バルディリス(阪神ほか)とサビエル・バティスタ(広島)の名前がまず挙がる。

バルディリスは2008年に育成契約として阪神に入団。同年の5月に支配下契約を勝ち取るとレギュラーは勝ち取れなかったものの、翌2009年まで阪神でプレーする。2010年からはオリックスに移籍し、4年連続で2ケタ本塁打を記録するなど、三塁のレギュラーに定着した。

2014年からは3球団目となるDeNAに移籍。2年連続で規定打席に到達し、三塁のレギュラーとしてチームを支えている。結局、日本では8年間で93本塁打を放った。育成契約出身の外国人選手として、もっとも開花した例と言っていい。

バティスタはカープアカデミー出身者として2016年に育成契約を締結。翌2017年開幕後に支配下登録を勝ち取ると、61試合で11本塁打を記録する。翌2018年は99試合の出場で25本塁打とパワーを売りに広島のリーグ優勝に大きく貢献していた。昨シーズンも103試合で26本塁打を記録していたが、禁止薬物の使用が発覚し、出場資格停止処分を受けている。

バティスタと同じ時期に広島と契約したアレハンドロ・メヒアは出場機会が少ないなかで奮闘。昨シーズンは56試合の出場で打率.259(162打数42安打)、7本塁打とまずまずの成績を残した。2018年にはウエスタンリーグで三冠王に輝いており、ファームでの実力は抜けている。外国人枠争いに勝つことができれば……といったところだろうか。

初打席初本塁打のコラスはこのオフに亡命

昨シーズン途中に支配下登録され、一軍出場初打席初本塁打を記録したオスカー・コラス(ソフトバンク)も期待のひとりだった。しかし、このオフシーズンの間に亡命したと報道されている。現時点では契約の更新はできていない状況。今シーズン、ソフトバンクでプレーするのはむずかしそうな状況だ。

このように一軍で結果を残した野手はバルディリスとバティスタ、次点でメヒアくらいしかいない。そのなかのひとりであるバティスタは、禁止薬物の使用でケチがついてしまった。

巨人期待のモタは育成出身外国人野手として、一軍で結果を残すことができるだろうか。まずはこの先の実戦で実績を残し、支配下登録を勝ち取りたい。

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