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千賀滉大・山本由伸・山口俊らフォークボーラー8投手の成績を比較

2020 1/26 06:00浜田哲男
ソフトバンク・千賀滉大
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ⒸYoshihiro KOIKE

フォークボールの使い手を選定

昔も今も、三振を狙う際に有効なフォークボール。同球種は速く小さく変化する場合にスプリットと呼ばれ、遅めで大きく変化する場合にフォークと呼ばれるように、投手によって球速や変化の仕方などに違いがある。誰が最高のフォークの使い手なのかという答えを出すことは難しいが、球速や奪空振率、被打率など各項目で比較することは可能だ。

今回は、現在のプロ野球界でフォークを得意としている投手、ソフトバンクの千賀滉大甲斐野央、楽天の則本昴大、ロッテの種市篤暉、日本ハムの石川直也、オリックスの山本由伸、元巨人の山口俊(現ブルージェイズ)、阪神の能見篤史、以上の8名について、2019年のフォークボールに関する各種成績を比較していく。

平均球速・奪空振率・被打率を比較

まずは平均球速。1位は上記の選手の中で唯一140km台(141.7km)をマークした山本。150kmをコンスタントに記録する直球、140km後半のカットボールに高速フォークを織り交ぜる投球は圧巻の一言。昨年のプレミア12でリリーフ登板した山本が高速フォークを投げるたび、外国人打者のバットは面白いように空を切っていた。

2位は甲斐野の138.4km。ルーキーながら大車輪の活躍を見せた昨季は、150km中盤~後半の直球と高速フォークで侍ジャパンのセットアッパーにも抜擢された。

2019年各投手のフォークボール成績


次は奪空振率。1位は日本ハムの若きリリーバーの石川。リリーフ投手ということもあり、フォークの投球割合は35.5%と高く、奪空振率は驚異の30.5%。191cmの長身から投げ下ろすキレ味抜群のフォークは威力がある。ちなみにお化けフォークが代名詞の千賀の奪空振率は23.3%。甲斐野、種市、山口、能見の方が、奪空振率は千賀よりも高い数値をマークしている。

そして被打率。この数値はフォークボールを得意な投手を対象としているだけあり、すべての投手が優れた数値をマーク。中でも最も優れていたのが千賀と甲斐野の被打率.122。確かに両投手がフォークを投じた際には、ほとんどヒットゾーンに運ばれていない印象がある。2位が山口の.158。千賀同様に先発投手であることを考えると、こちらも十分に驚異的な数値だ。

国際舞台ではフォークの使い手が鍵

昨年のプレミア12では、リリーフで登板した山本と甲斐野のフォークが外国人打者に面白いように決まった。元々縦の変化には弱いと言われているが、そのことを改めて証明して見せた形だ。かつて国際大会で無類の強さを誇った元巨人の上原浩治もフォークの使い手で、何種類かのフォークを自由自在に使い分けていた。

今年は夏に東京五輪、来年の春にはワールド・ベースボール・クラシック(WBC)と大舞台での戦いが続く。日本の強みである投手陣、中でもフォークボールを得意とする投手が、ひとつの鍵になることは間違いない。

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