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菅野は昨年同様の成績を残せる!? 沢村賞翌年の成績は?

2018 4/28 13:40mono
菅野智之
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ⒸSPAIA

受賞翌年の故障に注意

先発投手における最高の栄誉でもある沢村賞。昨シーズンは菅野智之(巨人)が受賞している。その菅野は今シーズンも同等の活躍を期待されたが、開幕から2連敗と心配されていた。その後、2連勝と調子を取り戻してきたが、過去の受賞投手は、その翌年にどのような成績を残してきたのだろうか


過去10年沢村賞受賞年・翌年の成績

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ここ10年(2008〜2017年)の沢村賞投手を振り返ってみる。岩隈久志(マリナーズ)、前田健太(ドジャース)、田中将大(ヤンキース)と現在、メジャーリーグで活躍する選手が3人も名を連ねた。前田、田中のふたりはそれぞれ2度タイトルを獲得しており、3人で半分に当たる5回の受賞となっている。その他には涌井秀章(ロッテ)、攝津正(ソフトバンク)、金子千尋(オリックス)、クリス・ジョンソン(広島)そして昨年の菅野が受賞と日本を代表するメンバーが名を連ねている。

沢村賞を受賞するには年間を通じてローテーションを守った上で、極めて優秀な成績を残す必要がある。そのため、故障で離脱することはほとんどない。しかし、その反動からか、翌年に故障で離脱するケースは多い。

2008年に21勝を挙げ沢村賞投手となった岩隈。翌2009年は開幕前に第2回ワールドベースボールクラシック(WBC)があり、例年とはことなる調整となった。その影響もあったのか、6月には登録抹消となる。年間を通じて13勝、防御率3.25をマークし球団史上初のクライマックスシリーズ進出の原動力となったが、自身の成績は落としてしまった。

2度の受賞をしている田中は2度とも翌シーズンに故障で離脱している。2013年には24勝0敗1セーブという神がかり的な成績を残し、メジャーリーグ移籍を果たした。しかし、翌2014年は13勝をマークしたが、約2カ月間の離脱があり登板試合数は20。一般的なローテーション投手に比べると10試合程度少なくなっている。

金子(2014年受賞)、ジョンソン(2016年受賞)のふたりも翌年に故障で長期間の離脱をした。両投手とも2桁勝利にすら届かず、大きく成績を落としている。

複数年連続での受賞は過去4人

沢村賞は自身キャリアにおいて最高に近い成績を残すことで得られる賞だ。そのために、同じような成績を続けて残すことは極めてむずかしい。複数年連続で受賞したのは斎藤雅樹(巨人/1995年・1996年)、村山実(阪神/1965年・1966年)、金田正一(国鉄/1956年・1957年・1958年)、杉下茂(名古屋/1951年・1952年)と長いプロ野球の歴史においても4人しかいない。このことからも、その難しさが伺い知れる。

投手に限った話ではないが、好成績を残すと翌シーズンは相手球団から研究され、対策を立てられることも成績を落としてしまう要因のひとつだろう。昨シーズンの受賞者である菅野は、開幕から2試合で躓いたもののここ2試合で立て直してきた。ここから、シーズンを通して昨年と同等の成績を収めることができるだろうか。エースの投球に注目していきたい。