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日本文理と中越の2強を追う新潟明訓、北越 新潟県の高校野球強豪校を紹介

2020 3/10 17:00山浦和樹
イメージ画像ⒸmTaira/Shutterstock.com
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過去10年で夏の甲子園出場は3校のみ

新潟の高校野球では、夏の県大会優勝校が過去10年で3校のみとかなり絞られている。今回はその3校と、2020年こそ甲子園出場を狙う有力校を紹介。誰もが知る名門から、秋に飛躍した高校まで幅広く解説する。

県内屈指の名門・日本文理

日本文理は、過去10年で5回、夏の甲子園に出場している新潟県の強豪だ。2019年夏の大会では、すべての試合を5得点以上3失点以内(3試合で無失点)で勝利し、決勝では東京学館新潟に12-3と大勝するなど実力差を見せつけた。

さらに過去のデータを見ても、攻守に渡るレベルの高さがうかがえる。過去5年で勝利した16試合中、15試合で5得点以上3失点以内と安定感のある強さが光る。反対に、敗戦した3試合ではすべて3得点以下。また、2試合は5失点以上と形が崩れての敗戦だった。

甲子園に目を向けると2009年に準優勝、2014年にベスト4に入るなど結果を残しているものの2017年は2回戦敗退、2019年は初戦敗退している。夏の甲子園でこれまで9勝をあげており10勝目が期待される日本文理。2020年こそ念願の二桁勝利に乗せたいところである。

26年ぶり夏の甲子園勝利を目指す中越

新潟県の中で日本文理と同じくらい勢いがあるのが中越だ。過去5年で3回の甲子園出場。甲子園出場していない年も県ではベスト8以上をキープしており、安定した成績を残している。

近年の実績を見ると間違いなく県内の強豪と呼べるが、甲子園では1994年の夏以降は勝利がない。直近3回のスコアを見ると、2015年は滝川二に3-4、2016年は富山第一に0-1、2018年は慶応義塾に2-3と全て1点差で勝利を逃しているのだ。

そこで最近、野球ノートを取り入れ始めた。甲子園で勝つためには、個々の能力と自立性を高める必要があると考えたためだ。ノートはチーム全体と学年別、ポジション別に作成。順番に記入している。あえて個別ノートにしないことでコミュニケーションが生まれただけでなく、記入のために考えることで自己管理能力や自ら考えて練習する力を養っている。

2020年の夏は成長したチームで、26年ぶりの甲子園1勝を挙げたい。

野球漫画ファンにおなじみの新潟明訓

野球ファンの間で「明訓」といえば、強豪というイメージがあるのではないだろうか。それもそのはず、人気野球漫画「ドカベン」で主人公たちが通う高校が明訓なのだ。作者である水島新司氏は、故郷の強豪・新潟明訓をモチーフにドカベンを描いたのである。

実際の新潟明訓も、最近10年では2011年、2016年に決勝進出。2012年には優勝し甲子園出場するなど、県内の強豪として認知されている。ただ、ここ3年は目立った活躍がなく、2回戦、初戦、準々決勝で敗退した。

そんな新潟明訓だが、2019年の春に脱丸刈りを宣言したことが話題になった。チームに自立心を養い、新たな風を吹かせようという目的で取り入れられたのである。

結果、2018年の初戦敗退から2019年は準々決勝進出したので一定の成果は出たと言えよう。この流れで2020年こそは、生まれ変わったチームで近年の鬱憤を晴らしたい。

2019年の秋を制した北越

日本文理、中越、新潟明訓が注目される中で2019年の秋季大会を制したのが北越だ。上記3校が早いうちに敗れ去る中、決勝で新潟産大附に11-5と快勝し秋の新潟を制した。さらに北信越大会でもベスト4に食い込むなど地区の強豪相手に見事な戦いぶりを見せた。

夏季大会に目を向けると、過去5年でベスト8が3回と県内では上位の結果を残している。秋の勢いそのままに春夏通じて初めての甲子園へ駆け上がることができるだろうか。

2強に割って入る高校は現れるか

新潟県の高校野球は、日本文理と中越が先頭に立って引っ張っており、2強を新潟明訓と北越が追う格好だ。

他には昨秋準優勝の新潟産大附や、公立ながら昨夏ベスト4の新潟、昨夏準々決勝で中越を破り準優勝した東京学館新潟などが有力候補だろう。2020年、果たして新時代を作るのはどの高校だろうか。