「スポーツ × AI × データ解析でスポーツの観方を変える」

男子バレー日本代表の歴史を紐解く!今後チームが強くなる秘訣とは!?

2016 10/12 03:34
男子バレー 日本代表
このエントリーをはてなブックマークに追加

Photo by Barbra Ford/Shutterstock.com

男子バレーが強くなる秘訣とは何か、気にならないだろうか? 今回は男子バレー日本代表の歴史を紐解きながら、日本が強くなる方法を探す。

世界でも有数の伝統チーム

日本の男子バレーの歴史はかなり古く、創設されたのは1927年のこと。世界でも屈指の歴史を誇るチームだ。
もちろん実績の方も十分で、1960年に初めて世界選手権に出場すると、1964年の東京オリンピックでは銅メダルを獲得する。ただこの時は女子バレーが金メダルを獲得し、東洋の魔女と呼ばれるほど注目を浴びていたので、男子のメダルはあまり騒がれず。当時コーチを務め、翌年から監督を務めることになっていた松平康隆さんはかなり悔しい思いをしたそうだ。
しかし1968年のメキシコオリンピックで銀メダルを獲得すると、徐々に男子バレーへの注目度が上がっていく。そして1972年のミュンヘンオリンピックで念願の金メダルを獲得すると、男子バレーチームの人気はピーク。特に、このミュンヘンオリンピックでは、準決勝のブルガリア戦でセット数0-2から奇跡的な大逆転勝利を収め、さらにその後の決勝戦でも強豪東ドイツを圧倒しての金メダル!
あまりにも劇的なこの流れは、当時「ミュンヘンの奇跡」と呼ばれ日本中を沸かせた。

低迷が続く日本男子バレー

しかしその後は長らく低迷。80年代こそ川相俊一さんの活躍もあり注目されていたが、90年代に入るとほぼ完全に日本の名前が世界から消えてしまう。1992年のバルセロナオリンピックこそ何とか出場できたものの、1996年アトランタ・2000年シドニー・2004年アテネと3大会連続で予選敗退。2008年に北京オリンピックに出場するまで、なんと16年間もオリンピックへ出場していなかったのだ。それ以外の主要国際試合でもかなり厳しい状況が続いており、90年代以降の結果をまとめると以下の通りだ。

【オリンピック】
バルセロナ:6位 アトランタ:予選敗退 シドニー:予選敗退 アテネ:予選敗退 
北京:11位 ロンドン:予選敗退 リオ:予選敗退

【世界選手権】
1990年:11位(16か国) 1994年:9位(16か国) 1998年:15位(24か国) 
2002年:9位(24か国) 2006年:8位(24か国) 2010年:13位(24か国) 
2014年:アジア予選敗退

【ワールドカップ】
1991年:4位 1995年:5位 1999年:10位 2003年:9位 2007年:9位 2011年:10位 
2015年:6位 (すべて12か国)

海外チームとの差は?

なぜこれほどまでに厳しい状況が続いているのだろうか。やはり一番に言われているは体格差だ。男子バレーは女子に比べてもかなりスピード感があり、サーブ・スパイクはとても強烈だ。実際に平均身長を比べても、日本選手は190cmほどなのに対して、ブラジルだと198cm、ロシアに至っては203cmもある。
しかし、最も大事なのはメンタル面ではないかと考える。国際試合を見ていると、特に大事なところでサーブミスをしたり(特にリオオリンピックの予選では目立っていた)、特定の選手が集中的に狙われてそこから崩されて、という場面がとても多いように感じる。男子バレーはスピード感がとても速いため、一度崩されてしまうとそこから立て直している暇は与えてもらえないのだろう。

歴史から活路を

男子バレー日本代表は決して弱いチームではない。確かに世界ランキングにかかわる3大国際大会(オリンピック・世界選手権・ワールドカップ)では結果が出ていないが、2009年のグラチャンバレーでは銅メダル、最近でも2015年のアジア選手権では金メダルを獲得している。
それだけに何とかオリンピックなどの国際試合でも結果が欲しいところ。日本が強かったころは相手のことを徹底的に研究するのはもちろんのこと、クイックやブロード、時間差攻撃など、画期的な作戦をたくさん編み出していた。今でも女子バレーでは眞鍋監督が「ハイブリッド6」のような新しい戦術を取り入れている。常識を覆すような戦術で体格差をカバーするその姿勢は、男子バレーでも見習うべきなのかもしれない。
また女子バレーに比べて海外で活躍する選手が少ないのも気になる。もちろん日本のトップ選手が海外チームに移籍してもレギュラーが確約される保証はない。それでも自分よりも体格のいい選手たちの中、必死にアピールして死に物狂いで結果を出してと、過酷な環境の中でのバレーを経験した選手は、必ず日本代表の力になってくれるはずだ。
先ほど述べたように日本の課題でもあるメンタル面をこういった選手たちが精神的な柱となって支えていき、世界で通用するバレーになっていくことを期待したい。

まとめ

現在は低迷している男子バレー日本代表だが、少しのきっかけがあれば復活する可能性は大いにあると思う。 女子バレーが黄金期を築いている今、男子バレーも盛り上がってほしい。