「スポーツ × AI × データ解析でスポーツの観方を変える」

日本女子テニス選手・クルム伊達公子の功績とは!

2016 9/20 21:42
このエントリーをはてなブックマークに追加

Photo by lev radin/Shutterstock.com

一度引退したのちに現役復帰を果たし、今もなお活躍しているクルム伊達公子。引退する前の彼女の実力を知りたいと思わないだろうか?
かつて日本女子テニス界のエースとして活躍した功績を紹介する。

クルム伊達公子の武器とは!

クルム伊達公子がここまでの成績を残してこれたのは、日本人女子の身体の小ささをものともしないライジングショットにある。ライジングショットとは、通常のボールのバウンドよりも早いタイミングで打ち込んでいくショットのことをいう。このように、いつもより早く打つことで、相手が次の球へ準備する時間をなくすことが狙いだ。準備が遅れることは、プロの世界では、命取りになる。
タイミングをずらされることで相手選手のミスが多くなるため、最高の攻撃的な1球になる。また、このライジングは、カウンターショットにもなり、相手の球の強さが強いほど、合わせるだけでその威力を倍増させる効果を持っている。このライジングショットを武器に、クルム伊達公子は世界のトップクラスの中で常にプレーを続けてこられたのだ。

クルム伊達公子の復活!

25歳という若さで一度引退をしたクルム伊達公子。その当時の世界ランキングも8位とトップ宣戦で活躍をしていたため驚いた方も多かったことだろう。2008年に現役復帰を果たし、12年ぶりにテニスコートに帰ってきた伊達は、37歳になっていた。若手選手が伸び悩んでいた日本女子テニス界に元気を与えることを、自分への使命としていたようだ。
カンガルー国際女子オープンでシングルス準優勝、奈良クルミと組んだダブルスでは優勝を飾るなど、その経験と実績は錆びついてはいなかった。その後も2009年には13年ぶりとなるWTAツアー優勝を果たし、また歴代最年長優勝記録を樹立するなど、まさにレジェンドとして女子テニス界をけん引しているといえるだろう。

クルム伊達公子とシティフィ・グラフとの熱戦!

1996年東京有明コロシアムで行われたフェドカツプ1回戦で日本はドイツと激突した。当時の女子テニス界をリードしていた女王シュティフィ・グラフとの一戦は今でも語り継がれている激戦だった。
1-1で迎えた最終セットもお互いキープを続けながらついに12-10で伊達が勝利。当時の女王グラフは、通算332週1位とう歴代記録を更新したばかりとまさにのっている相手だった。そのグラフを激戦の末破ったのだから、応援していた松岡修造氏も大興奮だ。日本人選手として世界ランキング1位の選手を初めて倒した選手としてクルム伊達公子はその名を日本テニス界に刻むことになったのだ。
その年のウィンブルドン準決勝で再戦となった両者だが、日没サスペンデッドを挟む2日間の激闘をまたも繰り広げ、今回は、女王グラフが意地を見せ勝利をおさめた。その後、グラフの世界引退試合の日本対戦相手も務めた。

まとめ

クルム伊達公子は、一度1996年に引退するも、2008年にカムバックし、今なおその輝かしいプレーで観客を魅了している。女子選手の若手の台頭を待ちつつ、今後の活躍にも期待したいところだ。