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サーブ精度向上で好調の錦織はどこまで行けるか 全豪オープン開幕

2019 1/16 07:00橘ナオヤ
錦織圭,Ⓒゲッティイメージズ
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Ⓒゲッティイメージズ

昨シーズンから絶好調の錦織

1月14日から開幕した、今シーズン最初のグランドスラム全豪オープン。第8シードに入った錦織圭は2大会ぶりの全豪出場だ。

第1シードのノヴァク・ジョコヴィッチ(セルビア)と同じ山に入った今大会。

1回戦では予選を勝ち抜いたマイクシャクに2セットを先取され追い込まれたが、相手の途中棄権で逆転勝ち。各選手が順当に勝ち抜けば2回戦で前哨戦のマハラシュトラ・オープンで決勝進出を果たしたパワーサーバーのイボ・カルロヴィッチ(クロアチア)、3回戦で第32シードのフィリップ・コールシュライバー(ドイツ)、第4戦で第12シードのファビオ・フォニーニ(イタリア)と戦い、準々決勝ではジョコヴィッチと顔を合わせることになる可能性が高い。

錦織とジョコヴィッチの対戦成績は、2勝15敗と大きく負け越している。最後に錦織が勝ったのは、グランドスラムタイトルまであと1歩だった2014年全米オープンの準決勝だった。そして、最後の対戦は昨年の全豪オープンの準決勝だ。

グランドスラムでベスト4以上に行くためには、トップクラスの選手に勝たなければいけない。全豪最高成績が3度のベスト8である錦織も、今大会の目標をベスト8以上としている。初のベスト4進出のため、ジョコヴィッチを相手に3勝目を手にしなければならない。

今シーズンの錦織にかかる期待は大きい。昨シーズンの全米オープン以降、タイトルこそ獲れなかったがATPポイントを2000点近く積み上げ、ATPファイナル出場を果たした。そして今シーズン、開幕戦となったブリスベン国際ではダニル・メドヴェージェフ(ロシア)を倒し、優勝。実に2年11か月ぶりの優勝が、全豪シーズン初のタイトルとなった。

その好調の鍵はファーストサーブ。もともと精度の高いサーブを武器としていた錦織だったが、今シーズンはその成功率が上昇し、試合の主導権を握ることに成功している。前哨戦優勝を引っ提げて、灼熱のメルボルンで飛躍を狙う。

優勝候補は7度目Vを狙うジョコヴィッチ、フェデラー

優勝候補選手の近況とドローを見てみよう。

優勝候補筆頭はやはりジョコヴィッチ。前哨戦であるカタール・オープンでは準決勝で敗退したものの、プレー内容は特段悪くない。3年ぶり、そして最多7度目の全豪優勝を十分狙える状況にあり、モチベーションは高そうだ。

もう一人の優勝候補はロジャー・フェデラー(スイス)。今シーズン、出場したのはホップマンカップのみと出場大会を限定してタイトルを狙うフェデラーだが、どの程度調子が上がっているのかは分からない。優勝すれば3年連続の優勝となり、ジョコヴィッチ同様最多7度目の王座となる。準々決勝では、マリン・チリッチ(クロアチア)と対戦する可能性がある。

第2シードのラファエル・ナダル(スペイン)には不安が残る。昨シーズンの全米オープンで足を負傷し、ツアーの残りを欠場。今シーズンもエキシビションマッチにしか出場していない。調子は上向いているようだが、全豪オープンの会場であるメルボルンは酷暑なうえ、サーフェスは脚部への負担が大きいハードコートだ。一体どれほどの力を発揮することができるのだろう。準々決勝では、同じ山のビッグサーバーのケヴィン・アンダーソン(南アフリカ)と対戦する可能性がある。

第4シードには、2018年ATPファイナルズを制したアレクサンダー・ズベレフ(ドイツ)がいる。2年連続で3回戦敗退に終わっているが、ツアーではインパクトを残しながら年々進化し続けている。今大会で更なる高みを目指したいところだが、直前のエキシビションマッチを負傷欠場。大会までに復調できるのか懸念が残る。

Big4最年少でありながら最初に引退を発表したマレーが早くも敗退。激動する2019年最初のグランドスラムで、絶好調の錦織はどこまで勝ち登れるのか。