「スポーツ × AI × データ解析でスポーツの観方を変える」

早くもテニス“全豪シーズン”到来 全米から好調の錦織らの動向は?

2018 12/31 11:00橘ナオヤ
錦織圭,Ⓒゲッティイメージズ
このエントリーをはてなブックマークに追加

Ⓒゲッティイメージズ

2018年から2019シーズンは始動

いよいよATPツアーの2019シーズンが開幕する。2019シーズンと言うが、実は12月から大会は始まっている。この時期の大会はほとんどがハードコート。それは全豪オープンを見据えた調整の場、前哨戦とされているためだ。

また南半球のオーストラリアはこの時期夏真っ盛り。酷暑のため、早期にオーストラリア入りして気候に適応する必要がある。そのため、全豪出場予定のトップ選手はオーストラリアや隣国ニュージーランドでの試合に最低1つは出場して、本番に備える。

下記が大会スケジュールだ。

12月29日~1月5日
ホップマンカップ(国別対抗ミックスダブルス、オーストラリア、室内ハード)

12月31日~1月5日
ブリスベン国際(ATP250、オーストラリア、ハード)
カタール・オープン(ATP250、カタール、ハード)
マハラシュトラ・オープン(ATP250、インド、ハード)

1月6日~1月12日
シドニー国際(ATP250、オーストラリア、ハード)

1月7日~1月12日
ASBクラシック(ATP250、ニュージーランド、ハード)

1月14日~27日
全豪オープン(グランドスラム、オーストラリア、ハード)

ホップマンカップにフェデラー、ブリスベン国際に錦織が参戦

まだ年も明けない12月29日から行われるのは、国別対抗のミックスダブルス、ホップマンカップ。ATPやWTAツアーの大会ではないため、ツアーポイントに影響は無いが、全豪オープンの前哨戦として、そして普段見られないシングルスのトップ選手たちのミックスダブルスとして注目を集める。

2019年大会にはATPランク3位のロジャー・フェデラー(スイス)や同4位アレクサンダー・ズベレフ(ドイツ)、セリーナ・ウィリアムズ(アメリカ)ら男女16人が参加する。(ATPランキングは12月17日現在)

12月31日には、ATP250のブリスベン国際、カタール・オープン、マハラシュトラ・オープンの3大会が開幕する。2019年はランキングトップ10の選手の多くがこの3大会のいずれかにエントリーしている。

ブリスベン国際には9位の錦織圭が出場予定。錦織にとってはこれが2019年初戦となる。さらに2018年ほとんどプレーしていないアンディ・マレー(イギリス)も出場する。その他にも2位ラファエル・ナダル(スペイン)、14位カイル・エドモンド(イギリス)、16位ダニル・メドヴェージェフ(ロシア)らが参戦予定だ。

カタール・オープンは前回王者の29位ガエル・モンフィス(フランス)のほか、現世界1位のノヴァク・ジョコヴィッチ(セルビア)、8位のドミニク・ティーム(オーストリア)、同11位のカレン・カチャノフ(ロシア)らが参戦。インドのマハラシュトラ・オープンでは7位のマリン・チリッチ(クロアチア)、6位ケヴィン・アンダーソン(南アフリカ共和国)、25位チョン・ヒョン(韓国)らが出場する。

デル=ポトロがケガから復帰

翌週行われるASBとシドニー国際には主にトップ20内の選手が多くエントリーしている。ASBには10位のジョン・イズナー(アメリカ)、13位ファビオ・フォニーニ(イタリア)、20位マルコ・チェッキナート(イタリア)が参戦予定。シドニー国際には前週の大会に出るエドモンドやメドヴェージェフのほか、15位のステファノフ・チチーバス(ギリシャ)や17位ディエゴ・シュワルツマン(アルゼンチン)が出場する。

その他の前哨戦としては1月8日からオーストラリアのクーヨンで行われるエキシビションマッチ、クーヨンクラシック(ハード)がある。これにはチリッチやアンダーソン、そして昨年終盤にケガでシーズンを早く離脱したフラン・マルティン・デル=ポトロ(アルゼンチン)が参加する。そして第3週の14日からはいよいよ全豪オープンだ。

負傷明けの2選手の奮起に期待

注目は負傷明けのデル=ポトロとマレーだ。デル=ポトロは2018年10月、上海マスターズ(マスターズ1000)の3回戦で膝を負傷し途中棄権。ATPファイナルズも欠場を余儀なくされた。その後はマイアミでリハビリを続け、すでにコートでの練習を始めている。BNPパリバ(マスターズ1000)優勝や全米オープン準優勝など調子が良かった。途中離脱の悔しさを2019年の原動力とするだろう。

一方のマレーは2018年、全豪を欠場し1月に臀部を手術。6月に復帰したが9月に足首を負傷し、そのままシーズンを終えた。現在のランキングは257位。まだ31歳で老け込むには早い。元世界1位の復活を誰もが待ち望んでいる。

過去最高の調子で新シーズンに臨む錦織

錦織にとっては2シーズンぶりの全豪シーズンだ。実は彼は全豪シーズンの成績はあまり良いとは言えない。むしろ全豪後、2月からクレーシーズン、そして全米シーズンで調子を上げる傾向がある。全豪はこれまでベスト8が3度。その前哨戦も2017年にブリスベン国際で準優勝したのが最高成績で、優勝の経験がない。

しかし、2018年終盤戦の錦織の好調ぶりからすると今シーズンは期待できる。

最後のグランドスラム全米でベスト4入りした後から調子をあげ、そこからの3か月でATPポイントを2000近く積み上げた。ATPファイナルではフェデラーを倒しながら2連敗を喫し予選敗退となったが、12月のエキシビション、ハワイ・オープンでは決勝でミロシュ・ラオニッチ(カナダ)を下し優勝を飾った。

過去最高と言って良い好調な状態で全豪シーズンに入る錦織がシーズン早期にトロフィーを掲げる姿を期待したい。