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ナダルが早くもATPファイナルズ確定 錦織は出場へ1300pt差

2018 8/14 11:15SPAIA編集部
ラファエル・ナダル,Ⓒゲッティイメージズ
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Ⓒゲッティイメージズ

ナダルが早くも出場権獲得!ATPファイナルズとは

テニスATPツアーは後半戦に入っている。すでにグランドスラムは3大会が終わり、残すは8月末から開幕する全米オープンのみ。その後はツアー大会があり、シーズン最後の11月にはNitto ATPファイナルズが控える。

ATPファイナルズとは、年間を通じて活躍した選手のみが出場できる、シーズンを締めくくる大会だ。その出場権は、ATPランキングとは別に、今シーズンの獲得ポイントで決まるレース・トゥ・ロンドンというランキングの上位8選手に与えられる。ロンドンで大会が行われるため、この名前で呼ばれている。

そのレース・トゥ・ロンドンで、早くも出場圏の8位以内を確定させた選手がいる。ラファエル・ナダルだ。今シーズンはツアー5勝。相性のいい全仏オープンで優勝し、同大会11度目の戴冠を果たした。ATPランキングでも1位の座を守っており、14年連続で出場権を獲得した。32歳にしてキャリアに再び輝きを取り戻している。

ベテラン勢の復活の鍵は休養にあり

レース・トゥ・ロンドンでナダルを追うのが、ロジャー・フェデラーだ。37歳となったフェデラーは、昨シーズンに続き今シーズンもナダルとともにシーズンを支配しつつある。

ベテランの域に入ったフェデラーとナダルが一時期の落ち込みから復活した鍵は、休養にある。

フェデラーはどんなサーフェスでも勝つことができるオールラウンドプレーヤーだが、芝とハードコートと比べクレーコートは若干不得手としている。スペシャリストのナダルにはどうしても遅れを取ってしまう。

またクレーコートシーズンを挟む4月から6月の時期は、多くの選手がコンディション調整に失敗することで知られている。そこでフェデラーは、クレーコートシーズンの大会を捨て休養にあてることにした。

その結果、コンディションを万全に整え、勝率をあげることに成功。今シーズンは7大会に出場し、優勝3回、準優勝2回と高いパフォーマンスを発揮している。

またナダルも、タイトなツアースケジュールをやめたことで、万全の試合ができるようになった。1月の全豪オープン準々決勝チリッチ戦で棄権したあとは3か月間を休養にあてた。4月のモンテカルロ・オープンでは錦織圭を破り優勝している。

今シーズン、8大会に出場し優勝が5回、準優勝が1回、ベスト8が2回と好成績を収めているのは、十分な余裕を持って大会に臨めているからだろう。

ズベレフ追走、ベテラン勢も奮闘

「レース・トゥ・ロンドン」でフェデラーと共にナダルを追いかけるのが、アレクサンダー・ズベレフだ。今シーズンここまでツアー3勝をあげ、フェデラーに並ぶ優勝回数でナダルを追走している。

ツアーの出場大会は14大会と、若いだけあって精力的に大会に参加しているが、3回戦までに敗れることも多い。マッチポイントを握りながら逆転負けする試合もあり、試合後には「決めなければならなかった」とコメントするなど、勝負所での安定感がまだまだ足りない。

とはいえベスト4入りを7度、ATP1000では決勝に3回進出しており、若手では随一の活躍を見せる。と言うより、シーズンを通じて結果を出している若手がズベレフくらいしか見当たらない。

チョン・ヒョンやチチーバス、カレノブスタらはいまだ今季未勝利。今季のレース・トゥ・ロンドンではデルポトロ、ジョコビッチ、ゴファンといったベテランの頑張りが目立ち、今シーズンも世代交代は起きそうにない。

錦織出場へ1300ポイント差

そんな中、復活を期す錦織圭は現時点で12位。8位のドミニク・ティエムとの差は約1300ポイントと、出場圏入りは不可能ではない順位に位置している。

そのためには複数の大会でベスト4以上の成績が求められる。これは単にATPファイナルズ出場だけでなく、完全復活するために必要となる成績だ。2016年以来となるATPファイナルズ出場を果たし、復活の2018年とすることはできるか。

(注:各選手成績は2018年8月14日時点)