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錦織圭モンテカルロで準優勝!シード選手次々撃破、復活の兆し

2018 5/1 15:06SPAIA編集部
錦織圭
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Ⓒゲッティイメージズ

ツアー本格復帰の舞台は“赤土の王者“の牙城モンテカルロ

4月15日から22日にかけて、モンテカルロ・マスターズが開催された。これはクレーコートシーズン最初のATP1000の大会で、多くのトップ選手がクレーシーズンでの調子をうらなうべく出場する。モンテカルロは“赤土の王者“ラファエル・ナダルが得意とする大会としても知られており、2005年から2012年間で8連覇。2017年大会には通算10度目の優勝を果たした。

そしてもう一人注目を集めたのが錦織圭だ。2月に半年ぶりのツアー復帰を果たしたが、そのパフォーマンスは完全復活といえる状況ではなかった。モンテカルロは3月のマイアミ・オープン以来の実戦の舞台で、実に6年ぶりの出場。ノーシードでの出場ながらこの大会で錦織は復活の兆候を見せ、ファンに大きな喜びをもたらした。

初戦から強豪と激戦

今大会錦織は初戦から強豪との対戦が続いた。1回戦の相手はトマーシュ・ベルディハ。4大大会すべてでベスト4入りの経験がある実力者だ。長身から繰り出す強力なストロークを前に第1セットを奪われるが、その後ペースを掴んだ錦織が試合を支配すると、第2セットを6-2で取り返し、ファイナルセットも6-1で奪い逆転勝利。ATPランキングトップ20の選手からの勝利は1年以上ぶりだった。

2回戦はロシアの若手メドベージェフを相手にストレート勝ち。3回戦はイタリアのベテラン、セッピに第1セットをベーグル(6-0)で先取するが第2セットを取り返される。だがファイナルセットはペースを譲らずに6-3でものにした。

準々決勝はチリッチと因縁の対決

初戦から調子の良さをみせる錦織が準々決勝で対戦したのがマリン・チリッチだ。2014年の全米オープン決勝で錦織を破ったパワーヒッターで、試合時のランキングは3位と調子の良い選手だ。これまでの対戦成績は7勝6敗で錦織が一歩リードしている。この試合も序盤錦織はチリッチのビッグサーブを攻略しきれずキープが続くが、最初のブレークをモノにした錦織が先取。第2セットもキープが続きタイブレークへ突入すると、錦織がミスを連発。カウント1-1に戻されたが、ファイナルセットでは調子を戻し、2つのブレークを奪ってクロアチアの巨人から勝利を収めた。

若手No.1ズベレフも撃破

準決勝の相手は世界ランク4位のアレクサンダー・ズベレフ。錦織とは2017年にワシントンで対戦したのみで、その時はズベレフに軍配が上がった。ズベレフは第1セットから激しいプレーを見せ、2つのブレークを奪ってセット先取に成功する。第2セットでは錦織が自分のペースを取り戻し、シーソーゲームの中で2本のブレークを取り返す。このセットを6-3で取り返し、試合はファイナルセットへ。最後は持ち前のスピードあるプレーで若き才能ズベレフを上回り、ナダルが待ち受ける決勝へと歩みを進めた。

王者の前に力尽きるも、復活の兆しを見せた

決勝で顔を合わせたナダルと錦織はこれまで11度対戦しナダル9勝、錦織2勝の対戦成績でナダルが優勢だった。さらに舞台は赤土の帝王ナダルの牙城であるモンテカルロとあって錦織の圧倒的不利とされたこの対戦。一切の隙を見せないナダルを前に、ここまで4試合でフルセットを戦った錦織にナダルの猛攻に耐えるスタミナは残っておらず勝機を見出せない。

結局0-2のストレートでナダルが優勝。このタイトルでマスターズ1000の大会で通算31勝とし、ジョコヴィッチを抜いて歴代最多優勝数とした。

一方敗れた錦織は、悲願のマスターズ1000初優勝はお預けとなったが、トップ20の選手を3人破る快進撃を見せ、ランキング36位から22位へと一気に駆け上がった。そのプレー内容も素晴らしく、彼らしい粘りのストロークやスピードを武器に好プレーをいくつも見せてくれた。しかしモンテカルロに続くバルセロナ・オープンは右手の違和感から棄権している。しっかり休養して全仏オープン、そして芝のシーズンでの完全復活を期待したい。