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プロも戦術に加えている スライスサーブのコツを教えます

2017 12/29 20:07村正 吉和
テニスボール、ラケット
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Photo by oleandra/shutterstock.com

スライスサーブはパワーがあまりなくても回転を掛けることで打つことができ、また他のサーブに比べて技術が少なくても打ちやすいのが特徴だ。ただし、慣れていないとコースの打ち分けができないなど問題も出てくる。ここでは、コツさえ掴めば優れた武器になるスライスサーブについてご紹介する。

フラットサーブと同じ打ち方

スライスサーブは特殊なフォームでなくても打つことができるサーブだ。相手からするとフラットサーブとスライスサーブを同じフォームから打たれると、予想が難しくレシーブミスを誘うことができる。
同じフォームで打つために、ボールはフラットサーブと同じく肩から多少前の位置に上げる。フラットサーブとの違いはミートの方法だ。
フラットサーブはラケットの正面で当てるイメージだが、スライスサーブの場合はボールの横をこする、削るようなイメージで打つことで、ボールに横回転をかける。ラケットを横向きで当ててしまうとボールの威力が落ちるため、多少ラケットを斜めにして打つのがポイントだ。

最初は速度は気にしない。ワイドにしっかり回転を掛けよう

スライスサーブは、ワイドにキレの良いスピンボールを打てれば、相手選手をコートの端に押し出して、オープンスペースを作ることができるのが特徴だ。また、横回転のボールはあまりバウンドをしないため、レシーブで強打されることも少ない。
まずは横回転をしっかり掛ける意識を持つことを考えよう。すでに横回転を掛けることができる人は、ワイド方向に逃げる球を打つようにコースを打ち分けることをポイントとして、意識的に打つことで自分の有利な展開にもっていくことができるだろう。

強いスライスサーブを打つためには腕の回転が重要

どのサーブにも共通することだが、手首の力で回転を掛けようとしても強いサーブを打つことはできない。スライスサーブは特に回転を掛けるために強い打球が打ちにくい。そのため甘くなればレシーブで強打されてしまうリスクもある。ではどのようなフォームで打てば良いだろうか。

鍵は腕の回転だ。プロネーションという腕の回転をうまく使う技術を使うことで打球の強度を落とさずに強い回転を掛けることができる。
手首を使っているかは、ボールを打つ際に手首が寝ていないかどうかで判断できる。手首が上を向いている状態でスライスサーブを打てていれば、うまく腕の回転を使っていることになる。自分のフォームを今一度確認してみよう。

コースと回転を考えて打つラファエル・ナダル選手

ラファエル・ナダル選手のサーブはスピードのあるフラット系よりは、どちらかというと強い回転でコースに打ち分けるサーブを好む。スライスサーブでは横回転を強くワイド方向に打つので、相手のラケットを弾くほどの強烈なサーブになるケースもある。
そして回転や回転軸を変えて打つことで多少変化を付けているので、相手が的を絞りにくく、強い打球で返球するのが難しいサーブを打つことが可能だ。そのため速くて取れないわけではないものの、ポイントを取ることができている。

相手のタイミングを外すロジャー・フェデラー選手

ロジャー・フェデラー選手もスピードで押していく選手ではなく、ボールにコントロールと変化を付けてポイントを取っていく選手だ。
特にファーストサーブでもスライスサーブを多用することもあり、相手のタイミングを外したり、強い回転を掛けて甘い返球を誘い、打ち返すというパターンも持っている。
次のショットに向けたサーブだけではなく、相手に的を絞らせないコースコントロールと、回転を掛けて色々なサーブを用いる戦術は、フェデラー選手と同じ質のサーブは打てないにしても、参考になることだろう。

まとめ

サーブは早いだけが全てではない。相手に甘いところに返球させるためのサーブも1つの戦略だ。そのためにもフラットサーブだけではなくスライスサーブを覚えると、サーブを優位に進める武器になる。是非習得してほしいサーブだ。