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卓球の魅力がつまった名場面・名勝負 5選

2016 12/21 19:03
卓球
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Photo by Mike Orlov / Shutterstock.com

リオ五輪では、個人で水谷隼選手が、団体で男子・女子の両方がメダルを獲得し注目を集めている卓球。 実際に試合を観ると、そのスピード感や繰り広げられる駆け引きに驚いた方も多かったのではないだろうか。 そんな卓球の魅力が詰まった名場面・名勝負を紹介する。

2003年世界卓球決勝 シュラガー対朱世赫

卓球選手を紹介する時に必須となっている項目がプレースタイル。両者のプレースタイルによって、どのような試合になるかという目安になる。
この試合では、ボールにドライブ回転をかけて打ち込む攻撃的なドライブ主戦型のシュラガーと、卓球台から離れてボールに下回転をつけ、とにかく拾いながら一瞬の隙をついて攻撃するカット主戦型の朱世赫のプレースタイルが、世界一を決める舞台で高い集中力のもと、これでもかと噛み合った試合だった。
ドライブで打ち込むシュラガーのボールを拾いまくる朱世赫選手。しかし一瞬の隙を見せると元々ドライブ主戦型だった朱世赫も一気に打ち込んでくる。エッジーボールで流れが変わりそうになりながらも打ち込むことを止めなかったシュラガーが、初の世界一に輝いた。

2013年全日本卓球選手権男子決勝 丹羽孝希対水谷隼

2008年の北京、2012年のロンドンと2大会連続で五輪に出場していた水谷隼は、当時の世界ランク10位。2007年~2011年に全日本5連覇を果たすなど押しも押されもせぬ日本のエースだった。
一方、青森山田高校に在籍していた丹羽孝希は当時の世界ランク22位。将来のエース候補として期待を集めていた丹羽だったが、2011年の準々決勝の対戦では0-4の完敗。丹羽にとって水谷は高い壁だった。 その丹羽が水谷に勝利して、全日本初タイトルを獲得したのがこの試合。普段はクールで感情をあまり表に出さない丹羽選手が最後のポイントを獲得した時に見せた雄叫びが印象的だった。

2010年ジャパントップ12決勝 石川佳純対福原愛

わずか4歳から日本中の注目を集め、日本を代表する女子卓球選手となっていった福原愛。4歳下の石川佳純にとっても福原は「憧れ」だった。そんな2人の初対戦は2009年の全日本卓球選手権準々決勝。攻撃的な卓球を持ち味とする2人の対決は、福原が4-0と圧倒、石川は攻めの卓球を出すことができず、1セットも取ることができなかった。しかし、この直接対決で福原のことをそれまでの「憧れ」から明確に「目標」とし、試合後の会見で「追いつきたい」と語る。
そして、その1年後に迎えたジャパントップ12で初の決勝進出となった石川の対戦相手はその福原だった。1年前は福原に何もさせてもらえなかったに石川だが、この試合では「常に攻め続ける事を意識した」というプレーで見事勝利。試合後に見せた満面の笑顔が印象的だった。

2012年全日本卓球選手権女子決勝 福原愛対石川佳純

2004年から日本代表としてプレーし、アテネ五輪、北京五輪と戦い、中国リーグで活躍する福原愛が12度挑戦しながらもどうしても勝てなかったのがこの全日本卓球選手権。日本チャンピオンの座だった。
13回目の挑戦となったのが2012年。決勝の相手となったのは石川佳純。石川は2010年のジャパントップ12で福原に初勝利して以降、2011年の全日本卓球選手権では準決勝で再び福原を破って優勝。昨年のチャンピオンとなっていた。
迎えた決勝では、得意のバックハンドだけでなく強化したフォアハンドで石川を圧倒。攻撃的な両者の対戦はどちらが攻めきることができるかが勝負の鍵となることが多いのだが、この試合では福原が攻めきり、13回目の挑戦にして初優勝。試合後、悲願のタイトル獲得で笑顔のまま涙を流す福原が印象的だった。

2016年リオ五輪アジア予選 伊藤美誠対丁寧

リオ五輪に最年少の15歳で参加して印象的な活躍を見せた伊藤美誠。 この本大会での活躍を予感させたのが、その4ヶ月前の2016年4月に行われたリオ五輪アジア予選だった。若さ溢れるプレーでメキメキと頭角を現し、世界ランク上位の石川、福原に続くリオ五輪出場を目指す伊藤が準々決勝で対戦したのは、昨年の世界王者で中国ビッグ4の1人である丁寧。
身長で20cm以上差があり、パワフルな強打を誇る丁寧に対し、引くのではなく得意の前陣速攻で攻め続ける。リオ五輪の団体3位決定戦でも見せたその積極的なプレーが女王を追い詰め、4-2で勝利。試合終了直後に見せた愛らしいまんまるな笑顔は、その後のリオ五輪での活躍を予感させるものだった。

まとめ

リオ五輪で男子・女子共にメダルを獲得して注目を集める卓球。 そのリオ五輪で活躍を見せた日本人選手の活躍を中心に、卓球の魅力が感じられる名場面・名勝負を紹介した。 若手選手も育っているので、今後さらに日本人選手の名場面・名勝負に期待したい。