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シンクロナイズドスイミング心に残る名演技

2017 1/30 21:29
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出典: Leonard Zhukovsky/shutterstock.com

華やかなスポーツとして注目を集めるシンクロナイズドスイミング。演技の構成など芸術点も競われるシンクロナイズドスイミングは、夏季競技の花と言ってもいいだろう。今回は世界各国の様々なシンクロナイズドスイミング選手の活躍を名場面も併せて紹介していきたいと思う。

シンクロナイズドスイミング名場面奥野史子選手

演技中もはじけるような笑顔で臨んでいるイメージのあるシンクロナイズドスイミングだが、その常識を覆す演技をしたのが奥野史子選手だ。
彼女は1994年の世界選手権ローマ大会のフリー・ルーティンのソロ種目で演じた「夜叉の舞」に女の情念や怒りを表現した睨みつけるような表情で臨んだ。この衝撃的な演技に世界選手権でのソロ種目では史上初の芸術点オール満点、日本人として当時最高順位の銀メダルを獲得したのだ。この歴史的快挙達成に涙する奥野選手の姿は感動を呼び、「夜叉の舞」は伝説的な演技として今も語り継がれている。

シンクロナイズドスイミング名場面ヴィルジニー・デデュー選手

ヴィルジニー・テデュー選手はフランスのシンクロナイズドスイミング選手だ。水中での呼吸を維持するためのノーズクリップを使用しない選手としても有名だ。
2003年に開催された世界水泳バルセロナ大会、続く2005年の世界水泳モントリオール大会のシンクロソロ部門で、5人の審査員全てが芸術点に10点満点をつけ連覇を達成した。泳法や長い手足を活かした演技はもちろん、演技の最中に上がる水飛沫をもコントロールし、競技会場であるプールをまるで一つの舞台のように演出することで脚光を浴びた。当時は日本でもDVDや写真集が発売され、松任谷由実の公演にも出演している。

日本らしさの魅力に迫ったシンクロナイズドスイミング

2000年のシドニーオリンピックでのテクニカル・ルーティンで日本チームが披露した演技はまさに名場面といっていいだろう。
日本らしさを表現するため「空手」をテーマにしたこの演技は、厳粛な雰囲気を漂わせる礼の姿勢と、空手の型を取り入れたポージングによってプールに入る前から観衆を釘付けにした。演技ではルール上10秒以内の陸上演技が許されているが、この空手の動作を取り入れた8秒の陸上演技のために、9か月に及ぶ練習をしたそうだ。この演技で日本代表はロシアに次ぐ銀メダルを獲得した。

歴史に残る高得点!ロシアのシンクロナイズドスイミングデュエット種目

シンクロナイズドスイミングの絶対王者として君臨するロシア。ロシアは2000年のシドニーオリンピック以降、チームとデュエット共に5大会連続で金メダルを獲得している。
ロシアのシンクロの印象を決定づけたといえるのがアナスタシア・エルマコワ選手とアナスタシア・ダビドワ選手のデュエット演技だろう。彼女たちはまるでサイボーグのように一糸乱れぬパワフルな演技で7年間王者の座を守り続けた。
2013年のロンドンオリンピックを最後に引退、後進の育成に就くことを表明していたダビドワ選手が閉会式の旗手として行進する様子は感動の名シーンとして注目を集めた。

シンクロナイズドスイミングのナタリア・イーシェンコ選手

同じく強豪ロシアの選手として有名なのがナタリア・イーシェンコ選手だ。イーシェンコ選手は動かなければ3分間は水中で無呼吸状態でいられるという驚異的な肺活量を持ち、技の正確性やスピードといった技術面においてもトップの選手だ。
彼女は、金メダル獲得数の多さはもちろん、シンクロナイズドスイミング選手として初めて結婚、出産を経て競技にカムバックし、トップ選手として復活した数少ない選手ということでも注目されている。その復活を印象付けた2015年の世界選手権でロマーシナ選手とのデュエットはまさに名場面だ。「宇宙人」をテーマにした大胆な水着や髪飾りも注目を集めた。

まとめ

いかがだっただろうか?様々な国の選手の名場面、名演技を紹介した。リオデジャネイロオリンピックでは銅メダルを獲得した日本代表マーメイドジャパン。東京オリンピックでも感動の名場面が生まれることを期待したい。