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平成20年 北京五輪で北島康介「何も言えねえ」【平成スポーツハイライト】

2019 1/5 11:00SPAIA編集部
北島康介,Ⓒゲッティイメージズ
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Ⓒゲッティイメージズ

高3でシドニー五輪4位

平成に行われたオリンピックで日本競泳陣が獲得した金メダルは男女合わせて8個。その中でも強烈なインパクトを残したのは平成16年(2004年)のアテネ、同20年の北京の100mと200m平泳ぎで計4個獲得した北島康介だろう。優勝直後のインタビューでの率直なコメントは流行語にもなった。

北島は5歳で水泳を始め、本郷高3年生だった平成12年にはシドニーオリンピックに出場し、100m平泳ぎで4位入賞。平成14年のアジア大会では、200m平泳ぎで2分09秒97の世界新記録をマークした。さらに翌15年の世界選手権では100m平泳ぎで59秒78の世界新記録、さらに200m平泳ぎでも2分09秒42の世界新記録で優勝した。

アテネで「チョー気持ちいい」

迎えた平成16年のアテネオリンピック。直前の大会でハンセン(米国)が100mと200m平泳ぎで北島の持つ世界記録を更新していた。

100m平泳ぎ決勝は北島が5コース、ハンセンが4コースだった。50mでターンしてからリードを奪った北島は、そのままハンセンを抑えて1分00秒08で金メダル。男子では昭和63年ソウルオリンピックの鈴木大地以来の優勝に、水面を叩いて喜びを爆発させた。レース後のインタビューで答えた「チョー気持ちいい」は、この年の新語・流行語大賞の年間大賞に選ばれた。

さらに200m平泳ぎでも2分09秒44のオリンピック記録で2冠を達成。男子400mメドレーリレーでは銅メダルを獲得した。

4年後、北京オリンピックを目前に控えた6月のジャパンオープン200m平泳ぎで、5年ぶりとなる2分07秒51の世界記録を樹立。上り調子で本番を迎えた。

8月11日、北京国家遊泳館。100m平泳ぎ決勝で北島はダーレオーエンらを振り切り、史上初めて59秒の壁を破る58秒91で優勝した。公言してきた通りの世界新記録で金メダルを獲得し、勝った瞬間、力強くガッツポーズしたが、インタビューでは涙ながらに「何も言えねえ」。このコメントはこの年の新語・流行語大賞にノミネートされた。

さらに200m平泳ぎでもオリンピック新記録の2分07秒64で金メダル。アテネに続き、2大会連続2冠に輝いた。400mメドレーリレーでは銅メダルを獲得した。

ロンドンではメドレーリレー銀

北島は平成24年、日本競泳史上初の4大会連続となるロンドンオリンピックに出場。100m平泳ぎで5位、200m平泳ぎで4位に入賞した。男子400mメドレーリレーでは銀メダルを獲得。レース後のインタビューでバタフライの松田丈志が「康介さんを手ぶらで帰らせるわけにはいかないぞと話していました」と泣かせるコメントをした。

さらに平成28年のリオデジャネイロオリンピック出場も目指したが、5大会連続出場はならず、現役を引退した。