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もし競泳自由形で日本が金メダルをとったらどうなる?

2016 10/17 10:21
オリンピック 競泳自由形
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Photo by Maxisport / Shutterstock.com

子どものころ「クロールがうまい=かっこいい!」という漠然としたイメージをもっていませんでしたか?オリンピックでも、クロール=競泳自由形といえば、水泳競技のなかでも最高の花形です。水泳ファンの方へ「もし日本人が金メダリストになったらどうなるのか」のまとめをお届けします。

競泳自由形で日本は金メダルをとれるのか?~男子選手の過去の成績

オリンピックの競泳で日本人のメダリストといえばなんといっても北島康介選手ですね。2004年のアテネ、2008年の北京と2大会連続で100m・200mのに種目で金メダルとなりました。でも残念ながら北島選手の種目は平泳ぎ。
では自由形ではどうかというと、さかのぼること80年以上前、1932年のロサンゼルスオリンピックと1936年のベルリンオリンピックで、日本の男子選手が競泳自由形で金メダリストとなっています。
しかしそれ以降となると金メダルはありません。メダル自体、1960年のローマオリンピックで銀メダルをとったのが最後で、現在まで表彰台から遠ざかっています。陸上の短距離とは違い、競泳自由形は技術でタイムをかせげる種目です。実際、日本人でも金メダルをとった歴史があるのですから、将来金メダリストが生まれる可能性は十分あります。

競泳自由形で日本は金メダルをとれるのか?~女子選手の過去の成績

競泳自由形の女子選手の成績をみると、2004年アテネオリンピックで柴田亜衣選手が800mの金メダルをとりました。しかし金メダルにかぎらず、すべてのメダルをあわせても日本人女性が競泳自由形でメダルをとったのはその一度きり…。
技術でタイムを稼げるという点で男女の差はありませんが、自由形は背泳ぎや平泳ぎなどと比較すると、身体能力の優位が大きく成績に影響する種目です。そのため小柄な体型の多い日本人女性の場合、いかに鍛錬を重ねても骨格や筋肉の構造が桁違いに大きい外国人選手にはかなわない、という苦しい現実があります。

競泳自由形日本人選手の期待の星はこの2人!

現在、日本の水泳界でもっとも期待されているトップ選手は誰なのかといえば、男子はリオ五輪400m個人メドレーで見事金メダルを獲得した萩野公介選手、女子は池江璃花子選手でしょう。
萩野公介選手は高校時代から日本のトップ選手として活躍しており、200m・400m自由形の日本記録保持者です。リオ五輪では日本勢金メダル1号として大活躍を見せてくれました。
女子選手期待の星、池江璃花子選手はなんとまだ16歳!幼少期からご両親の英才教育を受けてメキメキ実力を開花させた池江選手は、50m・100m自由形の日本記録保持者です。
ただどちらの記録も世界記録から1秒半ほど遅れています。50m、100mはスプリント勝負なので、1秒半の差はとても大きいといえます。したがって現在の池江選手の記録では金メダルは厳しいでしょう。ただし、試合当日のほかの選手のコンディション次第では可能性はゼロではありません。

競泳自由形で日本が金メダルをとったら…メディアの反応は?

すでに北島選手の例があるように、日本人でも競泳で金メダルをとれる可能性は十分にあります。
ですが自由形の、それも100mなど短距離種目となると、日本人選手が金メダルをとることは非常に困難だといえます。もしそれが実現したら、国中のメディアが大騒ぎすることはもちろん、海外のメディアも大きく取り上げるでしょう。日本人は西洋人からみればアジアの島国です。
経済や文化は一流でも、スポーツにおいては「日本なんて…」という厳しい評価が圧倒的多数です。そこに「競泳自由形で日本人が優勝した!」というニュースが飛び込んでくれば、国内に駐在している海外大手メディアの支社も総力をあげて大フィーバーぶりを取材するはずです。

競泳自由形で日本が金メダルをとったら…本人の人生への影響

競泳自由形は水泳の花形。そのなかでもとりわけ100mはもっとも華やかな競技です。その種目でオリンピックの金メダリストになったとしたら、水泳選手としては最高の栄誉となります。
メダル獲得直後から、国内外で英雄として扱われますし、競技から引退したあとも「日本人初の100m自由形金メダリスト」という称号が一生ついてきます。その気になれば、どんな水泳クラブの監督・コーチにだって就任できるでしょうし、貴重な経験を活かして教育者としてキャリアを積むこともできるでしょう。
ただしメダリストゆえに重圧からも逃げることはできなくなります。銅メダルや銀メダルとはわけが違いますし、競泳界の頂点に立った人間にはそれなりに模範的な生き方が求められるでしょう。それが本人にとって良い結果を生むとはかぎりません。「トップに立つ人は常に孤独である」といわれますが、「オリンピック金メダリストの孤独」はわたしたちには理解できないかもしれません。

まとめ

東京オリンピックまであと4年。日本人の競泳のレベルがそれまでにどのくらい上るかわかりませんが、日本人スイマーが自由形で金メダルをとることは決して不可能なことではありません。選手たちの活躍を期待し、わたしたちもしっかり応援しましょうね!