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大関とりを狙う御嶽海に横綱大関の壁 稀勢の里がついに逆襲か

2018 7/28 15:00SPAIA編集部
相撲,ⒸShutterstock.com
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御嶽海の7月場所総括

稀勢の里不在で始まった7月場所。白鵬、鶴竜、栃ノ心の優勝争いになるのではないかというのが大方の予想だった。しかし3連勝で好発進の白鵬は支度部屋で足を滑らせ4日目から休場。鶴竜は4、5日目に連敗を喫し6日目に休場。栃ノ心は開幕5連勝で優勝に向け視界良好となった矢先、6日目に玉鷲に敗れた際に怪我をし休場という展開になった。

そんな状況で気を吐いたのが御嶽海だ。御嶽海は中日勝ち越しを果たすとそのままの勢いで11連勝を記録。他を圧倒する迫力ある取組で次々と白星を挙げていった。無傷のまま迎えた12日目の高安との勝負は、破れてしまったものの、物言いがつくほどの接戦だった。

ここで1月場所(7連勝した後5連敗してしまった)のような、いつもの連敗グセが出てしまうのではないかという予感もしたが、13日目の豪栄道戦では切り替えて白星を手にした。

「勝てば優勝」という14日目、相手は難敵栃煌山だったが、今場所の勢いそのまま完璧な相撲で退け、千秋楽を待たずして賜杯を手に入れた。

千秋楽で「有終の美」を果たすことはできなかったが、この黒星も決して御嶽海が悪い相撲を取ったわけではなく、勝った豊山をほめるべきだろう。観客を沸かせる相撲内容でファンも納得の黒星といういい一番で7月場所を終えた。

御嶽海が大関になる条件

初優勝を果たした御嶽海だが、早くも9月場所での大関取りが期待されている。大関になるための目安は3場所33勝。5月場所に9勝、7月場所に13勝を記録した為、11勝が大関昇進の目安となる。

あくまで目安なので32勝でも大関に昇進することもあるし、33勝しても見送られることはある。栃ノ心が大関昇進したばかりというのも懸念事項の一つではある。しかし平成29年1月場所から負け越しは平成30年の3月場所しかない安定感の高さは好印象だ。

11勝し、3場所33勝したら当確、10勝で終わっても相撲内容(横綱を破るなど)によっては十分昇進がありえる。

9月場所の展望

7月場所の相撲内容を見る限りでは御嶽海の大関昇進は大いにあり得るといったところだが、来場所は3横綱が巻き返しを図るため厳しい場所になることが予想される。

中でも不気味な存在となるのが稀勢の里だ。稀勢の里は7月場所で初日から休場したものの、場所前の稽古(7月2日)で白鵬と対戦し、翌日も白鵬の所属する宮城野部屋へ出稽古(この日は白鵬の事情により三番稽古をすることはなかった)。「目が覚めた感じがする」と好感触をつかんだという。

ここまでなりふり構わぬ姿勢を見せた稀勢の里は初めてだ。7月場所を休場し、満を持して9月場所に土俵入りするのではないかというのが個人的見解だ。

怖い存在と言えば栃ノ心も挙げられる。今場所途中休場したためいきなりカド番となってしまった栃ノ心は是が非でも勝ち越しを果たしたいところ。恐らく御嶽海との対戦は終盤になってくるが、大きな壁となって立ちはだかってくる。高安、豪栄道も「存在感を示さなければ」と危機感をいだいている。大関昇進へ期待される御嶽海の9月場所は目が離せない場所となる。