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モンゴルだけじゃない!世界各国からやってきた外国人力士

2017 5/17 09:55跳ねる柑橘
sumo wrestler
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ヨーロッパ出身のイケメン力士

モンゴル、ハワイと見てきましたが、近年はヨーロッパの国から来た力士も増えてきています。ヨーロッパ出身の関取第一号である元小結の黒海さんは東ヨーロッパのジョージア出身。現役のジョージア人力士には栃ノ心関や臥牙丸関がいます。栃ノ心関はその高い鼻筋が似ていることから「角界のニコラス・ケイジ」とも呼ばれています。
イケメン力士として名をはせた元大関・琴欧洲の鳴戸親方はブルガリア出身。ヨーロッパ出身の力士としては初めて日本に帰化しており、引退後に親方となっています。現在は現役時代から所属していた佐渡ヶ嶽部屋で後進の指導にあたっています。また、鳴戸親方と同じブルガリア出身の現役力士が碧山関です。鳴子親方は碧山関にとって地元の先輩であこがれの存在であり、部屋こそ違いますが交流があるようです。
千賀ノ浦部屋所属の舛東欧はハンガリーの出身です。四股名は舛東欧旭(ますとうおう・あきら)と言いますが、この旭は本名のアティラの当て字だとか。またハンガリーのご近所チェコ出身で元関取の隆の山さんは、100kg前後という力士にしてはスマートで筋肉質な体形だったことから、技のデパートと称された舞の海さんの再来かと注目を集めた力士でした。
エストニア出身の元大関で現在タレントや格闘家として活動する把瑠都さんは、角界のディカプリオという愛称もついた甘いマスクの持ち主。読書家でまじめな性格だったこともあり、人気の力士でした。
彼らヨーロッパ出身力士の多くは、相撲を始める前はレスリングや柔道などの格闘技で優れた成績を収める若者でした。日本の「スモウ・レスリング」の力と力のぶつかり合いに惹かれて、力士への道に進んだそうです。

アフリカ、南米……意外な国から来た力士

東ヨーロッパにはレスリングや柔道が人気という、相撲への架け橋になる素地があります。ですが外国人力士の中にはそうではない意外な国から来た力士もいます。
たとえばアフリカはエジプト。エジプト出身の大砂嵐関は、初のアフリカ出身力士、そして初のイスラム教徒の力士であることから、たびたび話題になる力士です。イスラム教の教えにある通り、豚肉など食べられない食材があるほか、ラマダーン(断食月)の間は日が昇っている間は食事ができません。
食事の制限は力士にとって大きなハンデになるものですが、所属する大嶽部屋と大砂嵐関は、食事を他の力士と分けたり、日没後にちゃんこ鍋を食べるなど、工夫して乗り切っています。実はカイロ大学で経営学を学んでいたということで、文武両道の力士でもあります。
ぐるっと地球を裏返した南米出身の力士もいます。魁聖関はブラジル出身の日系3世。ブラジル出身日本人の元力士・若東さんのスカウトで友綱部屋に入門しています。サッカー大国の出身ですが意外なことにサッカーにはあまり興味はなく、好きなものはゲームだとか。日系ではない純ブラジル人では、元十両の国東さんが2005年に史上初の純ブラジル人の関取になっています。またブラジル以外には、パラグアイ出身の日系人力士に若潮という力士がいたそうです。
サッカーではブラジルのライバル国とされるアルゼンチンからも力士が生まれています。星誕期(ほしたんご)と星安出寿(ほしあんです)という四股名の力士で、ともに十両昇進まで進んでいます。四股名の由来は母国アルゼンチンにあり、星誕期さんはアルゼンチンのダンス「タンゴ」から、そして星安出寿さんは、南米大陸を南北に走る「アンデス山脈」からつけています。星誕期さんは現役時代に日本に帰化し、本名を四股名にちなんで「星 誕期(ほし・たんご)」と改名しました。現在は格闘家、タレントとして活動しています。

ますます多様化する大相撲に期待

モンゴル勢や、ハワイ出身力士がその名をとどろかせていましたが、実はお相撲さんは世界中からやってきているのです。今回ご紹介した力士のほかにも、ちょっとトラブルが目立ったロシア出身力士や、中国や台湾、韓国、そしてマレーシアといったモンゴル以外のアジア出身の力士もいます。
外国人力士の中には、ホームシックや言葉・文化の違いに苦しみ、やめてしまう人も少なくありません。ですが高見山さんや曙さんのように親身になってくれる親方や兄弟子の存在、大砂嵐のイスラム教徒としての教義によって生まれる競技上の課題に一緒に取り組む大嶽部屋の姿勢などで、そうしたハードルも乗り越えてきた力士も大勢います。
また今後鳴子親方が部屋を持てば、初のヨーロッパ出身親方の部屋ということになり、角界も多様な力士が誕生する土壌ができているのではないかと思います。もちろん日本人力士にも負けてもらいたくはありませんが、人種・国籍を問わず、これからどんな力士が生まれるか楽しみですね。

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