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大相撲の新弟子検査についてもっと知りたい!

2017 5/8 10:55茶色野うさぎ
大相撲
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出典 J. Henning Buchholz/Shutterstock.com

大相撲を見ているとよく耳にするのが「新弟子検査」という言葉。
身長などを計っている映像がテレビで流れたりしますが、具体的にどういうものか知らない人のために、今回は新弟子検査について詳しく解説していきます。

新弟子検査の概要

新弟子検査というのは日本相撲協会が主催する検査で、これに合格した者だけが正式な力士として認められ、登録されることになります。それぞれの相撲部屋にはスカウトされたり志願してきた若者たちがいますが、新弟子検査に合格するまでは見習いという扱いになります。
検査は毎年、場所が始まる数日前に開催されていて、随時合格者が発表されていきます。一度落ちた場合でも体調を整えて再受験することが可能で、基本的には健康でやる気のある若者に対しては寛容な試験になっています。

新弟子検査の受験資格、内容

受験資格については日本相撲協会の規約によって定められていて、各国において義務教育を終えている23歳未満の男子とされています(スポーツ、格闘技で実績がある場合は25歳未満)。また体格の検査として合格ラインがあり、身長167㎝、体重67㎏以上となっています。
ただし、三月場所だけは中学卒業生の採用を促すために身長165㎝、体重65㎏以上と合格ラインが少し下がります。体格検査が終わるとあとは健康診断、心電図、エコー検査で健康面で不安がないかチェックします。合格するとその時の本場所から番付外の力士として相撲を取ることができます。

新弟子検査の変遷

新弟子検査も時代の変化とともに変わってきた歴史があります。若貴ブームを受けて新しい人材を確保するために2001年から2012年にかけて第二新弟子検査というものが行われました。これは当時の体格の検査(173㎝、75㎏以上)で不合格になったものに対して体力測定を行って、十分と判断されたものは合格となるものでした。
2012年からは体格の合格基準が緩和されて現在の167㎝、65㎏以上に変更になり、第二新弟子検査は廃止となりました。

新弟子検査といえば舞の海

新弟子検査のエピソードとしてよく知られるのが舞の海関です。1990年当時の合格ラインは173㎝で、169㎝しかなかった舞の海関は頭にシリコンをいれて検査に合格します。頭が盛り上がった舞の海関が身長を計っている写真はネット上でも見ることができます。
実際のところ舞の海関だけでなく、シリコンをいれたり、頭をたたいてこぶを作ったりと、いろいろなやり方を駆使して新弟子検査にのぞむ力士はたくさんいたようです。現在はそのようなことは禁止されて、体格検査の合格ラインが緩和される方向に進みました。

新弟子検査の例外となる場合

新弟子検査でも例外となることがあります。前述の舞の海関は大学時代に相撲部で全国大会でも活躍していました。このようにアマチュアで実績を上げた力士に対しては優遇措置があり、幕下付出(まくしたつけだし)という形で登録されます。これは番付には乗らないものの、幕下での取り組みが組まれ、その成績によって次の場所から正式に地位が決められるという制度です。
舞の海関のような例があったことから、幕下付出に関しては実績があれば体格は不問という決まりができ、小さくても実力のある力士にチャンスが生まれています。

まとめ

大相撲の力士たちが最初にうける関門、新弟子検査について解説しました。
検査自体はそれほど厳しいものではなく、やる気のあるものはどんどん受け入れようという感じのようですね。やる気のある若者たちにとっては、嬉しい方針といえるでしょう。