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大相撲の注目力士・宇良を徹底解説

2017 3/22 18:27まるちゃん
相撲,ⒸShutterstock.com
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Photo by J. Henning Buchholz/Shutterstock.com

2017年の初場所で横綱・稀勢の里が誕生したことにより、がぜん盛り上がりを見せている大相撲。 幕内の勝負も人気だが、幕内を狙う十両の戦いも熾烈で魅力的。 そんな十両の力士・宇良の生い立ちから成績などを徹底解説していく。

十両力士宇良の生い立ちとは

1992年6月22日に大阪府寝屋川市に生まれた宇良。本名は宇良和輝で、名字をしこ名としている。十両三枚目となった2017年の時点でも、身長が173.0cmで体重128.0kgと体格に恵まれた力士と比べると小柄な体格の力士だ。
そんな宇良が相撲を始めたのは、4歳のときだった。大阪の寝屋川相撲連盟に通っており、元幕下立花の菊池弘至さんの指導のもと相撲を学んでいく。 そして、師匠の

「強く当たれ。前に出ろ」

出典: 日刊スポーツ

という教えを守り、日々努力を重ねていく。

力をつけていった宇良の小学校時代

元幕下・立花の菊池弘至さんの指導のもと、ぶつかり稽古を重ねていく。まだまだ子どもで、体格も小さい宇良にとっては、厳しい稽古だった。しかし、周囲の心配をよそに宇良はまったく怯まず、そして臆することなく稽古にぶつかっていく。 当時の様子を菊池弘至さんは、

「土俵にたたきつけても(宇良)和輝は泣きもせずバンバン立ってきた。舞の海さんには失礼だけど、和輝は舞の海2世じゃない。大きい相手にもバチンと当たっていけるから」

出典: 日刊スポーツ

と語り、力士としての“押す力”を秘めていることを感じる。 しかし、小学校6年生でも身長は139cm、体重は42kgと小柄で、同学年の相手になかなか勝てなかった。

レスリングを始めた小・中学校時代の宇良

思うように体格が伸びなかった宇良だったが、大相撲の春場所に毎年観戦に連れて行ってくれた母の支えもあり、相撲を続けていく。そして、小学校3年からは相撲だけではなくレスリングにも取り組む。
相撲とは違ってレスリングは階級制で体格の差が生まれにくいルールのため、中学校時代はレスリングをメインに練習を続けていく。小学校から通ったエンジョイ・レスリングクラブは週3回の練習で、練習時間80分のうち休憩はたったの2分。この厳しい特訓で培った精神力と体力が、後の相撲で生かされることとなった。

そして高校から本格的に相撲の世界へと進んだ宇良

一度は全国2位なるなど活躍を見せたが、レスリングでは高校の推薦が取れなかった。そこで、再び相撲をメインにするため、相撲部があった京都府立鳥羽高等学校に入学。相撲部で日々練習に取り組み、推薦で関西学院大学教育学部へと進学した。
大学1年の時に、全国学生相撲個人体重別選手権65kg未満級で優勝。3年になった頃には肉体改造に取り組み、4年では全国学生相撲個人無差別級で3位、ロシアで開催された第2回ワールドコンバットゲームズ相撲軽量級で優勝して世界一となった。 そして大学で教員免許を取得したが、大相撲力士になることを決意して木瀬部屋に入門した。

十両力士となった宇良の魅力とは

2015年の春場所で初土俵、夏場所では7戦全勝で序ノ口優勝を飾った。続く名古屋場所と九州場所でも優勝決定戦に進んだが、惜しくも優勝を逃してしまった。
2016年も優勝決定戦に絡むなど才能を発揮し、夏場所で新十両昇進が決定。東十両3枚目となった2017年の初場所に珍しい決まりての“襷反り”で観客を魅力し、優勝争いに絡む活躍を見せた。そんな宇良の魅力は、小柄な体格から繰り出すアクロバティックな技。実際に“襷反り”も反り返る体勢から繰り出す技で、十両以上の取組ではめったに出ない技としてマスメディアにも注目された。

まとめ

大相撲の十両力士・宇良。 大柄で重量級の力士はたしかに迫力があるが、それに立ち向かうアクロバティックな決まり手が出せる小柄の力士も大相撲の魅力。 新入幕も見えてきた小柄な力士・宇良に注目してみてはいかがだろうか。