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大相撲の謎のひとつ、「一門」とはなにか?徹底まとめ

2017 3/8 20:01takuo-haaan
大相撲
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一門内の結束

一門の存在感が発揮されるのは理事会にとどまらない。かつての大相撲が一門系統別総当り制だったことからもわかるように、同じ一門に属する部屋同士は、同じ釜の飯を食べて切磋琢磨してきた盟友だ。その結束はきわめて強く、個々の力士の交流はオンオフ問わず一門内で行われることが多いのだ。 たとえば、冠婚葬祭は、原則として同じ一門に属する者が当事者でないかぎり出席しない(大物の場合は別だ)。また、出稽古も一門のなかで行われる。元横綱の貴乃花親方などは、現役時代はプライベートも含めて他の一門に属する力士とは一切交流しなかったといわれている。このように、一門というシステムは、洗練された現代の角界でもいまだに影響力を残している制度だといえるだろう。

名門一門紹介

現在、一門として残っているのは、出羽海、二所ノ関、時津風、高砂、伊勢ヶ濱、貴乃花の6つだが、江戸時代から続く一門はもう残っていない。
6つの一門のなかでもっとも古い歴史を持つのは高砂一門だ。明治時代に活躍した初代高砂関を開祖とする一門であり、高砂部屋を中心とする高砂系と九重部屋を中心とする九重系の二つの系統によって構成されている。
高砂一門に次ぐ歴史を持つのが出羽海一門だ。出羽海一門は政治でいえば自民党のような存在であり、角界のなかでも保守的な存在として力を持っている。相撲協会の理事も出羽海一門からもっとも多く選出される(3名)。統率を高めるため一門内に適用される規律が厳しいことでも有名で、1980年代までは一門からの分家・独立が許されなかった。

自由を求めて一門脱退?無所属力士の存在

一門に所属しない「無所属力士」も制度上はありうるのだ。かつての貴乃花部屋がそうだった(現在は貴乃花一門)。 一代で横綱となった貴乃花関は、優勝回数22回を誇る平成の大横綱として国民的な人気を誇る力士だった。現役を退き、年寄り親方となったあともその人気は衰えず、若くして自分の部屋を起こし、角界への影響力は日々大きくなっていく。
2010年には、まだ30代だったにもかかわらず相撲協会の理事に立候補し、波乱を巻き起こす。本来、理事は一門に属する親方達が互選によって立候補し、選抜されるならわしだった。そのため貴乃花親方は自身が属していた二所ノ関一門から脱退し、理事選に立候補したのだ。この騒動はのちに「貴の乱」と呼ばれ、古い慣習に支配されていた相撲協会の大改革のきっかけとなった。

まとめ

大相撲における一門制度は、まさに相撲界の力関係を支配するシステムである。もし一門が存在しなければ力士や親方達の行動はもっと自由になるが、その反面規律が失われ、仁義にもとる事件も多発することだろう。長い歴史を持つ文化にはそれだけの存在意義があるのだ。一門制度はまさに大相撲に欠かせない文化の一つといえるだろう。

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