昨夏はZETTがトレンド
第91回選抜高校野球大会に出場している全32校のキャッチャーがどのメーカーのプロテクターを使用しているのか。一回戦にスタメン出場した選手を目視で確認し、今大会のトレンドを分析してみた。
まずは、咋年の夏の第100回全国高等学校野球選手権記念大会に出場した56校のメーカー別のシェアを振り返ってみよう。
ⒸSPAIA
全体の41%に当たる23校がZETTを使用しており、高いシェアを誇っていたことがわかる。ZETTのプロテクターは表面に凹凸が無く、フラットになっているのが特徴で巨人の小林が使用して注目されたことで、高校球児にも広がっていった。
続いて21%に当たる12校がミズノ、SSKを使用しており、この3社で全体の83%を占めているというデータが見られていた。
ミズノの新製品が人気
では今年のセンバツではプロテクターのシェア率にどのような変化があったのかを見ていく。
ⒸSPAIA
32校が出場した中で、最も使用している選手が多かったのはミズノのプロテクターだった。シェア率は50%、なんと出場校の半数にあたる16校のキャッチャーが使用していたのだ。
この要因として、ミズノもZETTに続いて凹凸がないタイプのプロテクター(表面に線がデザインされている)を開発したことがあげられる。プロ野球では巨人の阿部、炭谷、広島の會澤、石原などが使用しているのを確認できている。
ミズノのウェブサイトではまだ一般には販売されていないため、実際には確認できていないが、ZETTの製品に比べて軽量にできているように感じる。カッコよさはもちろんのこと、軽いということはキャッチャーにとって大きなメリットであり、シェアが拡大した最大の要因だと考える。
ミズノのシェアが拡大したということは、ZETTの人気がなくなったのかと思いきや、全体の38%にあたる12校が使用していた。このことからも、変わらず高校球児の人気が高いことが見てとれる。
SSKは激減
その一方でシェアが激減してしまったのがSSK。去年の夏は21%のシェアがあったにも関わらず、センバツで使用していた高校は日章学園の1校のみだった。
近年SSKといえば、智辯和歌山が全ての用具を同社で統一していたことで知られているが、今年はZETTのプロテクターを使用していた。その理由として、高嶋仁監督が退任し、プロ野球でも活躍した中谷仁監督が就任したことで、選手が自由に用具を選べるようになったということが考えられる。
では、最後に2季連続で甲子園に出場している高校が使用しているプロテクターに違いがあったのかを見ていこう。
ⒸSPAIA
智辯和歌山は先述のとおりだが、龍谷大平安がZETTからミズノ、山梨学院がハタケヤマからミズノと3校のキャッチャーのメーカーが変わっていた。もちろん選手が変わっているということもあるが、3校ともミズノに変わっているということからも今年のトレンドはミズノの新製品だと言えるだろう。夏の大会に向けてさらにシェアが拡大していくのか、注目しておきたい。