明治神宮大会→選抜大会の“秋春連覇”は過去3校のみ
1月25日、雪をも融かすホットな招待状が北の大地に届いた。創部10年目の札幌大谷が春夏通じて、初の甲子園となる第91回選抜高校野球大会の出場決定。純白のユニフォームに身を包んだ選手たちは喜びを爆発させた。
昨秋の明治神宮大会。北海道王者として挑んだ札幌大谷は1回戦で龍谷大平安(京都)に勝つと、国士館(東京)、筑陽学園(福岡)と強豪を次々に撃破。決勝ではプロ注目の右腕・奥川恭伸を擁する星稜(石川)を2-1で下し、初出場初優勝を果たした。
北海道大会を制した時点で選抜切符をほぼ手中に収めていたとはいえ、「神宮大会覇者」の肩書を持って挑む甲子園では注目度が俄然高まる。北海道代表が神宮大会を制したのは、あの田中将大(現ヤンキース)がエースだった2005年の駒大苫小牧以来(翌春選抜大会は部員の不祥事で出場辞退)。しかも、田中夫人(タレント・里田まい)が札幌大谷卒業生というのも因縁めいている。
ただ、神宮王者は翌春の選抜大会では不思議と勝てない。明治神宮大会高校の部が初めて開催された1973年以降、選抜も制したのはわずか3校。1984年の岩倉(東京)はあの桑田真澄、清原和博のいたPL学園を決勝で破って初出場初優勝を果たし、98年の横浜は松坂大輔(現中日)を擁して春夏連覇。2002年の報徳学園は大谷智久(現ロッテ)がエースだった。
最近では2016年の高松商、17年の履正社と2年連続決勝まで進出しながら涙を飲んでいる。札幌大谷が優勝すれば17年ぶり4度目の“秋春連覇”となる。