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ご存じですか?ソフトボールと野球の違い

2017 2/9 18:26
ソフトボール
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Photo by Jon Osumi/Shutterstock.com

2020年の東京五輪にて、女子ソフトボール、男子野球が正式種目に復活し、世界の強豪国との熱い戦いが繰り広げられる。東京五輪までにソフトボールと野球の違いを理解し、意外に知られていないルールなども確認しておこう。

ボールとバットの違い

ソフトボールに使用するボールは、円周30.2?30.8cm(12インチ)と野球ボール(円周22.9cm - 23.5cm)よりも一回り大きく、近年は黄色に赤色の縫い目のボールが使用されている。ボールの大きさについては、1号球、2号球、3号球に分かれており、1号球は小学校低学年向けで周囲は26.7cm、2号球は小学生向けで周囲は28.6cm、3号球は中学生以上の一般用で周囲が30.5cmとなっている。
バットは、長さ86.4cm(34インチ)以内、重さ1077g(38オンス)以内、バットの一番太い部分の直径が5.72cm以内で材質は金属バットが主だ。野球のバット(長さ42インチ以下、直径2インチ4分の3以下、材質木材)よりも細いバットが使われ、1号?3号まで、ボールの号数に合わせた3種類のバットがある。

フィールドの違い

球技場は、外野フェンスまでの下限の距離が女子が67.06m(220フィート)以上、男子が76.20m(250フィート)以上で、野球は、右中間、左中間が深いのが特徴だが、ソフトボールは本塁から外野フェンスまでの距離が全て一定だ。
ソフトボールの塁間は野球の3分の2と狭い。また野球にはピッチャーマウンドがあるが、ソフトボールにはなく平らな地面から投球する。ソフトボールのバッターボックスは、91cm×213cmと野球(121.9cm×182.8cm)と比べて違いがある。
ソフトボールの投手から打者までの投球距離は、男子14.02m 女子13.11mと短い(野球は18.4m)。ソフトボールの一流の投手は、120km/hの速球を投げるが、打者の体感速度は何と160?170km/hと言われている。

投球ルールの違い

ソフトボールと野球の最大の違いは、ソフトボールでは投手が下投げであることだ。また投げる際に肘と手首が体の側を通過しなければならないルールがあり、体から離れて投球した場合はイリーガルピッチ(不正投球)となってしまう。腕の回転を2回以上させるのも禁止とされている。ソフトボールの投手は、ピッチャーズサークル(半径2.44m)の中で投球しなければならず、両手を離した状態で投手板を両足で踏まなければならない。
ソフトボールには、野球にはない下投げ特有の打者の手元でボールが浮き上がるライズボールという変化球がある。

試合ルールの違い

野球のイニング数は9回まで(プロ野球は9回で引き分けの場合は延長12回まで)だが、ソフトボールは7回までで、7回までに勝負がつかない場合は、8回からはタイブレーカーという制度(無死2塁の状態から始まる延長戦)で行われる。
ソフトボールでは、先発メンバーに限り、一度交代した後も、再度同じ打順でという条件で復帰することが可能なリエントリー制度がある。リエントリー制度により試合の序盤から代走や代打の起用も積極的に出来る。またプロ野球のパリーグでは、指名打者制度があるが、ソフトボールはDP(打撃専門)とFP(守備専門)の選手が登録が可能だ。DPを使った場合10人が出場し、DP選手は打撃のみで守備につく場合は、FPの選手が対応する。

走塁ルールの違い

ソフトボールの一塁ベースは、白色とオレンジ色に分けられており(野球は白色のベースのみ)、走者と一塁手の接触を防ぐためにダブルベースというルールがある。オレンジ色の部分はファールゾーンに配置されている。一塁手は白色ベースを使用し、走者が一塁ベースに触れるのは、オレンジベースとなる。塁に出た場合は、白色ベースに帰塁する。
また、野球と違いソフトボールでは走者のリードは認められない。ピッチャーの手からボールが離れるまでの間、走者は塁から離れることができない。

まとめ

ソフトボールは、下投げというのはご存じの方も多かったと思うが、その他のルールの違いは知られていないことが多いと思う。東京五輪では、ソフトボール(女子)と野球(男子)の両方の競技が見れる。観戦される前に是非ルールの違いも確認しておいてほしい。