ハーツに今季加入の21歳
サッカーのスコットランド・プレミアリーグで大活躍した日本人選手といえば、セルティックの元日本代表MF中村俊輔が知られている。今も地元市民の間で「あの左足のFKは魔法使いのようだった」と愛され、FKでゴールを量産したシーンは語り草だ。
そんな英国北部のハーツに今季加入した21歳の技巧派MF食野亮太郎が「中村の再来」と称賛され、存在感を増している。
ⒸSPAIA
サッカーのスコットランド・プレミアリーグで大活躍した日本人選手といえば、セルティックの元日本代表MF中村俊輔が知られている。今も地元市民の間で「あの左足のFKは魔法使いのようだった」と愛され、FKでゴールを量産したシーンは語り草だ。
そんな英国北部のハーツに今季加入した21歳の技巧派MF食野亮太郎が「中村の再来」と称賛され、存在感を増している。
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背番号77の食野は10月20日、名門レンジャーズとのホームでの一戦にトップ下で先発。前半6分に味方のシュートをGKがはじいた浮き球を、ペナルティーエリア外から左足ボレーで巧みに合わせる技ありの先制点を決めた。敵将のスティーブン・ジェラード監督も称賛する今季2点目の衝撃的なゴールだった。
身長171センチと小柄ながら、足もとの技術も高く、個人の能力で仕掛けられるアタッカーだ。J1・G大阪のユースからトップチームに昇格。今季はG大阪U-23(23歳以下)からのスタートだったが、J3では8試合8得点を記録し、トップチームに引き上げられてリーグ戦で3得点。スカウトの目に留まり、世界的強豪のマンチェスター・シティー(イングランド)からオファーが舞い込んで契約した。
8月末にハーツへ期限付き移籍すると、9月14日にホームで行われたマザーウェル戦で鮮やかな個人技から加入後初ゴール。ロングボール主体の伝統的なスタイルを持つチームで、数少ない技巧派MFとして欠かせない存在となっている。
新天地での活躍が評価され、東京五輪世代のU-22(22歳以下)日本代表にも初選出された。10月14日にはブラジルに遠征し、レシフェで行われたU-22ブラジル代表との国際親善試合に3-2で競り勝ち、サッカー王国から金星を挙げる快挙にフル出場で貢献した。
五輪代表の攻撃陣は有力選手がひしめき合う激戦区。天性のゴールセンスを持つ食野は「東京五輪」を一つの目標に据えながら、地に足をつけて挑戦を続けていく覚悟だ。
マンチェスター・シティーを率いるのは世界の名将、グアルディオラ監督でもある。クラブ側からは1年目は他チームで試合に出て経験を積み、2年目にステップアップして3、4年目にマンチェスターCに戻るプランを示されている。グアルディオラ監督から「常に野心を持て」と激励されたという“浪速のメッシ”の挑戦はまだ始まったばかりだ。