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メッシ10季連続40ゴールの偉業 公式戦通算477勝もバルセロナ歴代トップ

2019 4/5 07:00田村崇仁
メッシ,Ⓒゲッティイメージズ
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Ⓒゲッティイメージズ

エスパニョール戦で2ゴール

サッカー界のスーパースターがまたも新たな勲章を手にした。

スペイン1部リーグ、バルセロナのFWリオネル・メッシが3月30日のエスパニョール戦で2ゴールを決め、チームを2-0の勝利に導くとともに、今季公式戦の通算得点を41に伸ばし、史上初の10シーズン連続40得点の偉業を達成した。

クラブの公式サイトによると、2008-09年シーズンから40ゴール以上の実績を残しており、唯一無二の得点センスを持つアルゼンチン代表の衰えを感じさせない驚異的な安定感が改めて証明された。

得点王争いも独走

31歳のメッシは今季もその得点力が健在だ。後半26分、ペナルティーエリアすぐ外のFK。左足でふわりと壁を越して均衡を破ると、終了間際にはカウンターアタックからゴール前まで走り込み、FWマルコムの折り返しを左足ダイレクトできれいに流し込んだ。

首位を独走するチームと同様、これでリーグ戦は31ゴールで得点王争いのトップを独走し、既に3季連続6度目のタイトル獲得は濃厚な状況だ。

ここまでの大会別得点数は4日現在、リーグ戦32得点、国王杯2得点、欧州チャンピオンズ・リーグ8得点。国内だけでなく欧州大会でも得点ランキングのトップに立っている。

過去最高は73得点

ここ10シーズンの通算得点を振り返ると、2011-12年シーズンの73得点が自己最多となる。

メッシ10年表,ⒸSPAIA

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このシーズンはスペイン・リーグで50ゴールを挙げ、それまで40得点だったリーグ記録を大きく塗り替えた。公式戦の通算得点でもミュラー(バイエルン・ミュンヘン)が1972-73年シーズンに記録した欧州主要リーグの歴代最多得点記録67を更新した。

続く12-13年シーズンは通算60得点、近年では16-17年シーズンの通算54得点が多く、今季はその数字に近づく勢いで得点を積み重ねている。

公式戦通算勝利トップ

またクラブの公式サイトによると、3月17日に行われたベティス戦で公式戦通算477勝目をマーク。かつてのチームメートで元スペイン代表MFシャビの記録を上回り、勝利数でもバルセロナの歴代首位に立った。シャビが767試合で476勝だったのに対し、メッシはそれより大幅に少ない674試合で477勝を挙げており、勝率では大きく上回っている。

メッシ勝利数表,ⒸSPAIA

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さらに、得点記録だけでなく、前述のエスパニョール戦での勝利でリーグ戦における通算勝利数が334となり、永遠のライバルチームである、レアル・マドリードに所属していた名GKイケル・カシージャス(現在はポルトガル1部リーグのFCポルト所属)の個人最多記録に並んだ。

英雄マラドーナと比較

身長169センチと小さく、比較的おとなしい性格だが、ピッチに立つと誰よりも輝くのがメッシ。子どものころは背が伸びない病気だったものの、13歳の時にバルセロナが病気を治す資金援助を約束。ボールを自在に操る技術とスピード、圧倒的な得点力で現在の地位を築いた。

同じ左利きでドリブルが得意なため、アルゼンチンをワールドカップ(W杯)優勝に導いた元スーパースターで母国の英雄ディエゴ・マラドーナといつも比較される。

昨年のW杯ロシア大会はフランスに競り負け、ベスト16で敗退。メッシは4試合1得点と本来の輝きを放てず、母国から批判も受けた。しかし3月に昨年のW杯以来、約9カ月ぶりにアルゼンチン代表の試合に復帰。日本代表も招待国として参加する6月開幕の南米選手権に出場する見通しと報じられている。

残されたタイトルはW杯の優勝杯のみ。希代の点取り屋はまだまだ走り続ける。