スペインリーグが北米で公式戦開催?選手側が猛反発
8月16日、スペインリーグが北米でのプロモーションを視野に入れ、スポーツイベント事業を行う米国のRelevent社と15年間のパートナーシップの契約をかわしたことを発表した。
その計画の一つとして、バルセロナやレアルマドリー等の公式戦を開催する案が明らかになり、大きな論争を巻き起こしている。新たな市場の開拓がリーグ側の意図だが、選手側は大きな負担となる長距離移動が強いられる海外での公式戦開催に猛反発。クラブ側も概ね選手と同意見だ。
現状、欧州クラブの試合が他の大陸で行われるのは、プレシーズンツアーかクラブワールドカップだ。プレシーズンツアーではシーズン前からチーム行動の時間を取ることで、結束を深めるという効果が望めるが、一方で、長距離の移動が多く、シーズンへ向けての体作りが出来ないとの声も上がっている。
クラブワールドカップは、南米王者と欧州王者が中立地の日本で世界一を決めるトヨタカップとFIFAクラブ世界選手権が統合されて誕生した大会だ。現在では、各大陸王者や開催国枠などで試合数が大幅に増えた。
シーズンの真っただ中で、中2~3日のトーナメント大会に長期遠征する難しさ、リスクの高さは、選手もクラブも肌をもって感じているところだ。
世界王者になる事は重要だが、国内リーグや欧州チャンピオンズリーグは、それ以上に落とせない。その現状がある中で、さらに、国内で済むはずのスペインクラブ同士の公式戦を、移動を強いて北米で行うというのは、道理的にも選手は納得しがたい。
以前イングランドプレミアリーグでも同様の提案がなされたが、反発が大きく実現しなかった。
他の競技に目を向けると、アメリカンフットボールのNFLが海外で公式戦を開催しているが、海外への普及効果があることや、元々アメリカは長距離移動が一般的なことから支持を取り付けやすいとう背景もあるだろう。
サッカーは、ほぼすべての国々に普及しており、北米には5大スポーツの仲間入りを果たしたともいわれる人気上昇中のメジャーリーグサッカー(MLS)がある。
移動にかかる負担を無視して優先するメリットがあるとは思えない。