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イングランドVSベルギー プレミアリーグのスター選手が両チーム合わせて34人!

2018 6/6 17:23SPAIA編集部
ワールドカップロシア大会
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Ⓒゲッティイメージズ

グループステージ屈指の好カードは、プレミアリーグのスターが揃う

6月14日に開幕するワールドカップロシア大会。グループステージ(GS)では32カ国が8つのグループに分かれて、全48試合のリーグ戦が行われる。なかでも屈指の好カードが6月28日のグループG第3節、イングランド対ベルギーの一戦だ。

この試合の見どころは、ヨーロッパの強豪同士というだけではない。両チームともに多くの選手がイングランド・プレミアリーグに所属しているのだ。イングランドはメンバー23人全員がプレミアリーグで、ほとんどがレギュラー。対するベルギーも23人中11人がプレミアリーグで活躍している。

実力がありながら近年無冠、イングランドとベルギーが雌雄を決する

ヨーロッパきっての強豪として知られる両国。イングランドはW杯6大会連続15回目の出場だ。1966年大会で悲願の初優勝を果たしたが、それ以降はW杯、EUROともにタイトル獲得には至っていない。前回のブラジル大会ではグループリーグ敗退の憂き目に遭った。EURO2016ではラウンド16でアイスランドに屈辱的なジャイアントキリングを許してしまった。サッカー大国として確かな実力を持ちながらも、国際大会で不本意な結果が続いている。

対するベルギーは2大会連続13回目の出場で最高成績はベスト4、主要大会での優勝経験はない。ブラジル大会では準々決勝でアルゼンチンに敗れ、EURO2016でも準々決勝でウェールズに苦杯を喫した。数多くのタレントを擁し、FIFAランキングトップ10の常連ながらも、EURO1980の準優勝を最後に主要大会では芳しい実績がない。

ロシア大会欧州予選ではイングランド、ベルギーともに無敗で本大会出場を決めた。いずれもグループG突破の本命といわれるが、悲願の優勝を手にするために是が非でも1位突破を決めたいところ。両国にとって、大会での運命を左右する試合になる。

ワールドカップロシア大会

Ⓒゲッティイメージズ

若手起用で活性化したイングランド、GK世代交代が吉と出るか?

イングランドの最大の魅力は攻撃陣。ハリー・ケインやデレ・アリ(ともにトッテナム)、ジェイミー・ヴァーディー(レスター)、マーカス・ラッシュフォード(マンチェスター・ユナイテッド)、ラヒーム・スターリング(マンチェスター・シティ)といったアタッカーを擁するイングランドの攻撃をしのぐことは至難の業だ。

またサウスゲート監督は、22歳のロフタス・チーク(クリスタルパレス)や19歳のトレント・アレクサンダー=アーノルド(リヴァプール)といった若手を積極的に起用し、チームの活性化に成功している。

イングランド最大の懸念はゴールキーパー。長らく安定したGKがいないといわれていたイングランドだが、ジョー・ハート(ウェストハム)の台頭で「GK問題」がついに解決したと思われた。しかし、シティで正守護神の座を追われて以来、ハートのパフォーマンスが著しく低下。サウスゲート監督は安定感を欠くハートを代表から外し、ジャック・バトランド(ストーク)をはじめ若手3人を選出した。この人選が吉と出るか、それともGK問題が再燃するのだろうか。

個々のタレント力は折り紙付きだが、選手層が薄く安定感に欠けるベルギー

対するベルギー代表は、世界有数のタレント軍団。攻撃陣は“重戦車”ロメル・ルカク(ユナイテッド)、天性のドリブラー、エデン・アザール(チェルシー)、世界最高のゲームメーカーとの呼び声高いケビン・デ・ブライネ(シティ)と世界レベルの顔ぶれだ。守備陣はヴァンサン・コンパニ(シティ)や守護神クルトワ(チェルシー)を擁し、攻守ともに実力者がそろっている。

付け入る隙のない陣容に見えるが、弱点は選手層の薄さだ。特に守備陣はレギュラーと控えの実力差が大きいため、6月2日にポルトガルとの親善試合で負傷した大黒柱コンパニの状態が気がかりだ。また「個」の力に頼る傾向にあり、乗っているときは手の付けられない勢いだが、EURO2016ウェールズ戦のように相手に勢いを奪われると、組織で立て直すことが難しい。欧州予選ではW杯出場一番乗りを果たしたレッドデビルズだが、その後の強化試合では納得のいかない結果が続き、チームとしての完成度に不安が残る。

選手個々の能力と実績ではベルギーが優勢だが、チームの完成度や直近の試合内容を見るとイングランドに分がある。GL屈指の好勝負、決勝トーナメントに向けてどちらが弾みをつけるのだろうか。