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【2018年版】ブンデスリーガの力関係とリーグ事情を解説

2018 3/27 15:30dai06
ブンデスリーガ
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ドイツ王者バイエルン・ミュンヘンの独壇場

ブンデスリーガでは、バイエルン・ミュンヘンとボルシア・ドルトムントを筆頭に、いくつものクラブが優勝を争っていた。しかし、ドルトムントのユルゲン・クロップが去ってからは、完璧なまでにバイエルンの独壇場になっている。2016-17シーズン、バイエルンはリーグ5連覇を達成。2017-18シーズンも優勝が確実視されている。

第26節終了時点で首位のバイエルンは勝点66、2位のシャルケが46、3位のドルトムントは45。バイエルンと他チームの間には、勝点で大きな開きがある。2016-17シーズンはバイエルンに肉薄していたライプツィヒも、勝点40とリーグ5位に沈んでしまった。

ドルトムントは、このシーズンからピーター・ボスを迎えて攻撃的なサッカーを展開。しかし、序盤の好調を維持できず、シーズン途中にボスが解任され、ペーター・シュテーガーを据えた。

バイエルンもシーズン開始早々にカルロ・アンチェロッティを解任し、ユップ・ハインケスを復帰させた。グアルディオラが就任する前のシーズン(2012-13)に3冠を獲得していた彼の指導の下、再びドイツ王者にふさわしい試合を展開しており、今や国内では敵なしだ。

相次ぐ引き抜き、バイエルンを恐れる他クラブ

バイエルンの強さの所以は、選手層の厚さにある。彼らは国外よりも国内のリーグ、特にライバルクラブからの主力引き抜きを相次いで成功させており、その陣容・戦術の完成度を高めてきた。特に自国ドイツ人選手の獲得には熱心で、ドルトムントからはマッツ・フンメルスやマリオ・ゲッツェ(後に退団)、ホッフェンハイムからはニクラス・ジューレなどを獲得している。

2018-19シーズンは、シャルケからレオン・ゴレツカがやってくる。バイエルンの戦力増強とライバルクラブからの引き抜きは、止まることを知らない。中盤で攻撃のタクトを振る、このプレーメーカーは、今後10年は活躍できる有望な選手だ。バイエルンが欲しくなる気持ちはよくわかるが、契約満了による0円補強となるため、シャルケサポーターからは非難轟々。ゴレツカにも厳しい声が飛んでいる。

こうした補強方針は、ライバルクラブのサポーターから多くの非難を集めてきたが、おそらく今後も続くだろう。バイエルンがドイツ王者である限り、憧れを抱く選手は後を絶たず、移籍の話をキャリアアップの好機と捉えるはずだ。

バイエルンを止められる存在、ドルトムントの逸材たち

バイエルンには戦力面でも補強面でも差をつけられているように思われるドルトムントだが、その補強は極めて建設的で理に適っている。ユースから大切に育ててトップチームに引き上げたり、他国から逸材を加えたりすることも得意だ。

後者の例で言えば、ピエール=エメリク・オーバメヤンが良い例だ。彼はドルトムントで大活躍し2017-18冬の移籍市場において約86億円でアーセナルに移籍した。サンテティエンヌから彼が加入した時に、支払った金額は約17億円。数字の上では大いに得をしたことになる。

前者の例で言えば、U17イングランド代表であるジョーダン・サンチョ、12歳の時点でドルトムントのU17でプレーしてゴールを連発させている、ユズファ・ムココなどの成長が待たれるところだ。

どちらも数年後には世界に名前を轟かせるかもしれない超有望株。彼らを先んじて押さえているドルトムントの補強担当の彗眼には感服する。彼らが成長するまでにはまだ少し時間がかかるが、こうした地道な育成・補強こそが王者バイエルンを破る架け橋となるはずだ。