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【2018年版】プレミアリーグの力関係とリーグ事情を解説

2018 3/13 11:54dai06
マンチェスター・シティFC
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マンチェスターの覇権争いはシティ側がリード

ジョゼップ・グアルディオラが率いるマンチェスター・シティ(シティ)と、ジョゼ・モウリーニョが率いるマンチェスター・ユナイテッド(ユナイテッド)は、長年マンチェスターの覇権を争ってきた。もっともクラブの歴史としてはユナイテッドの方が豪華に彩られてきた。

しかし、多額の資本が流入する近年のシティは、ユナイテッドと同様にマンチェスターの街を代表するビッグクラブとなった。両者の関係は、間違いなくライバル同士だ。

ユナイテッドはサー・アレックス・ファーガソン退任以来、成績が上向かないでいた。それでも2016-17シーズンにモウリーニョを迎え入れてからはELを制し補強も重ね、満を持して2017-18シーズンに臨めたように思う。

モウリーニョの3年周期のジンクスから考えると、就任2年目となるこのシーズンはリーグを制覇するシーズンで成績も悪くはない。だが、リーグ制するのはおそらく難しく、彼のジンクスはシティのグアルディオラを前に崩れようとしている。

27節終了時点で、シティの勝ち点はリーグ首位の72。ユナイテッドはリーグ2位の56。両者の間に広がる16点という勝ち点差はあまりに大きく、プレミアリーグのタイトルは、もはや決まったようにも思える。圧倒的な強さを誇るグアルディオラのシティは、今や欧州全土でも最強クラスにあると言って良いだろう。マンチェスターの雄は2017-18シーズンのリーグを駆け抜け、次シーズンには前年度王者として臨むはずだ。

モウリーニョの続投とこれからのユナイテッド

モウリーニョのジンクスから考えると2年目はリーグを制し、3年目で退任・解任というのが普通だった。しかし、そのジンクスは良い意味でも悪い意味でも変わるかもしれない。2017-18シーズンにリーグを制することができなかったとしても、ユナイテッドは彼の成績に不満を示しているわけではないからだ。

ELを制した時点でユナイテッドのフロントとしては及第点であり、リーグ2位につけているという事実も決して悪くない。もちろん、ユナイテッドはリーグ優勝を課せられたようなチームではあるが、不振が続いていることを考えれば再び監督を変えるのは得策とは言えないだろう。

今季のシティはあまりにも強すぎる。新シーズンにモウリーニョの下で巻き返しを図るのが、おそらく最善であり契約を2020年まで延長したのも賢い選択だ。

モウリーニョは、そのカリスマ性のあまりチームに様々な影響を与える。彼のスタイルに合う選手には非常に合うが、合わない選手にはとことん合わない。それでも現状のユナイテッドの未来を、彼以上に託せるほどの監督はいないはずだ。モウリーニョの未来はこれからもユナイテッドと共にある。

群雄割拠!名将が増えるかもしれない2018-19シーズン

グアルディオラやモウリーニョ、チェルシーのアントニオ・コンテ、アーセナルのアーセン・ヴェンゲル、リヴァプールのユルゲン・クロップ、トッテナムのマウリシオ・ポチェッティーノなど、2017-18シーズンのプレミアリーグには数多の名将が割拠している。日本的に言えば、現在のプレミアリーグは名将達の戦国時代というわけだ。

クラブの持てる資金力や監督各々が持つ指揮力を存分に発揮し、そこかしこで火花を散らしている。ただ2018-19シーズンは、ここにバルセロナを率いたルイス・エンリケや、バイエルン・ミュンヘンを率いたカルロ・アンチェロッティらが加わる可能性があるという。もちろん、この2人がすでにいる名将達を押しのけて就任する可能性もあるわけだが、いずれにせよプレミアリーグの名将達の戦いは、より一層の激しさを伴うことになるだろう。

資金力が豊富なプレミアのクラブであれば、こうした名将を雇うことも可能で彼らのやりたい補強も叶えやすい。そうした台所事情から考えてみると、プレミアリーグで指揮をとるということは、監督達にとっては夢のある話なのかもしれない。

ビッグ5の時代は終わり?戦いは6強の時代へ

かつてプレミアリーグでは「ビッグ5」と呼ばれる5強の時代が続いていた。ユナイテッド、シティ、チェルシー、リヴァプール、アーセナルらのことだ。これらのクラブは戦力がずば抜けており、毎シーズンのようにリーグの頂点を争ってきた。

しかし、近年ではここにトッテナムが加わり、「ビッグ6」と呼ばれるようにもなった。デレ・アリやハリー・ケインなど、自国の主力代表選手を多く揃えるトッテナムは急成長を遂げている。素晴らしいチャンスメイクができるMF、それをきっちりとゴールにつなげるストライカーを備える彼らは、世界レベルだ。

2018年2月のCL、敵地で迎えたユヴェントス戦での2-2ドローは、賞賛に値する。セリエAの優勝常連クラブでありCLでも上位常連であるこのクラブを、ここまで苦しめられるクラブはそうそう存在するものではない。

プレミアリーグの戦いはビッグ5からビッグ6の時代へ。移り変わりの激しいサッカー界では、クラブ間の力関係もいつまでも同じ形を留めてはいない。