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【サッカーを愛するということ】ネイマールVSギャレス・ベイルの存在

2017 8/3 12:07dada
ネイマール
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メッシもロナウドもいなくなる未来

FCバルセロナ(以下、バルセロナ)に所属するリオネル・メッシ選手(以下、敬称略)。 レアル・マドリードCF(以下、マドリード)に所属するクリスティアーノ・ロナウド選手(以下、敬称略)。
この2人は2000年代に入ってからのサッカー界の象徴だ。所属するクラブがライバル同士ということも相まって、彼らがライバル関係にあると見るサポーターも多い。そして彼らのようなハイクオリティな選手が同時期に存在することに、一種の恐怖にも似た感動を覚える。サポーターを魅了するドリブル、サポーターをうならせるパス、サポーターを絶叫させるゴール。彼らの繰り出すスキルは、どれも光っていて観る者を飽きさせない。
「この時代に彼らのサッカーを観られて良かった」、思わずそんな言葉が出てしまう。それがこの2人だ。
だが、彼らの時代にも必ず終わりがやってくる。メッシもロナウドもいないサッカー界が必ずやってくるのだ。彼らを観てサッカーを始めた子どもも多いはず。彼らの真似をしてボールを蹴り、空き缶を立ててドリブルの練習、壁にひたすらシュート練習。世界にはそんな子どもが必ず存在する。彼らは紛れもなくスターなのだ。
この2人の引退がやってきた時、サッカーファンである私たちは言い知れぬ虚無感に襲われるだろう。しかしそれは一瞬で、その後にはまた新たなスターがやってきて私達を魅了する。つまりサッカーに終わりはないのだ。
ネイマール選手(以下、敬称略)と、ギャレス・ベイル選手(以下、敬称略)。この2人がこれからのサッカー界の新たな象徴となるだろう。

ネイマールとベイル!リーガにやってきた新参者

ネイマールとベイルは、それぞれバルセロナとマドリードに所属するが、元々リーガ・エスパニョーラの選手ではない。 この両クラブは、常に世界中にスカウトの包囲網を張り、自分たちの下でプレーする有望な選手を探し続けている。
ネイマールは元々ブラジルのサントスFCでプレーしていた。あのペレ氏も輩出したクラブである。サントスはブラジル国内のスター選手を大勢発掘しているが、ネイマールは飛び切りの掘り出し物だったに違いない。 瞬く間にトップチームに上り詰め、世界中から注目される選手となった。 優れたアタッカーを愛してやまないバルセロナが彼を放っておくわけがない。メッシとの共存が可能であるかどうかは危惧されたものの、2013-14シーズンからのバルセロナ入りはあっさりと決まった。
ベイルもネイマールと同じシーズンにマドリードへ加入している。ネイマールを狙っていたのはバルセロナだけではなかった。彼の獲得に失敗した瞬間にマドリードは次の手を打たねばならなくなった。ネイマールと同等かそれ以上の選手の獲得だ。 そこで選ばれたのがベイルだ。当時のベイルはトッテナム・ホットスパーFCでプレーしていた。NEXTロナウドの確保を考えていたマドリードは、体格やプレースタイル、クオリティの近い選手をベイルと踏んだのだった。

ネイマールの突破とメッシとの共存問題

ネイマールの背番号は11番。ベイルの背番号も11番だ。 主戦場とするポジションもサイドで得意とするプレースタイルにも似た点がある。ズバリ、ドリブル突破だ。
ネイマールは縦へのドリブルだけでなく、中央へのカットインに優れる。サイドでボールを持つと、中央へ中央へとボールを運んでいく。ドリブルスキルに富む彼は、多彩な技を繰り出し相手選手を翻弄する。ネイマールに引き寄せられた選手は、中央で待つメッシらへのマークがおざなりになる。そこを突くのがネイマールだ。浮かせても転がしても綺麗に通るパスは、メッシのゴールをいくつも演出してきた。共存が難しいと言われつつも、この貢献度の高さをきっちりと披露し続けたネイマールは、やがて全く心配されなくなった。メッシもネイマールの攻撃を着実に演出している。

ベイルの突破と比較すべき統計データ

ベイルはカットインよりも、縦への抜け出しを得意とする。生粋のスプリンターである彼は、サイドでボールを持った瞬間にすぐさま前へ身体を向ける。そして爆発的な加速力で相手選手を置き去りにし、カットインもしくはクロスを行う。
そこに待つのはロナウドだ。ベイルもまたロナウドとの共存が難しいとされたが、ネイマール同様に黒子としての役割をしっかりと果たしている。 しかし、加入以来負傷離脱することが多く、ネイマールほどのインパクトを残せていないのが難点だ。
直近の2016-17シーズンのリーガ・エスパニョーラでの統計において、出場試合数はネイマールが30、ベイルが19。得点およびアシスト数は、ネイマールが13ゴール11アシスト、ベイルが7ゴール2アシストだ。プレー時間はネイマールが2652分、ベイルが1425分。
このプレー時間の差で著しくネイマールに劣ってしまうのがベイルだ。この抜けてしまった時間を埋めることさえできれば、ネイマールと同等、あるいはそれ以上の活躍ができる可能性は十分にある。

代表で活躍する2人とサッカーを好きでいられること

ブラジル代表で活躍するネイマールは、間違いなく同国のエースだ。クラブでは11番を背負うネイマールだが、代表では10番だ。
2014年のW杯はネイマールの母国ブラジルで行われた。この大会での彼の負傷離脱は多くの国民の涙を誘った。 しかし、ネイマールは離脱直後から前を向いていた。「僕の夢はまだ終わってはいないんだ。仲間が僕の夢を叶えてくれると信じている。チャンピオンになるというね」。
結果的にこの大会でブラジル代表は惨敗を喫してしまうが、ネイマールはまだ若く、この先のキャリアにも前向きで常に全力だ。代表のキャプテンとして、常に仲間を牽引する存在となっている。
ベイルはウェールズ代表としてプレーしている。 ウェールズ代表は必ずしもW杯で登場するような国ではない。ヨーロッパの数多もの強豪国に阻まれ、1958年の1回しかW杯を経験していない。
だが、ベイルがキャプテンマークを巻いた2016年のEUROは違った。FKによる得点、ドリブル突破、あらゆる局面でベイルは活躍を続けた。これに応えた他のウェールズ代表選手達も獅子奮迅のプレーを続け、見事ベスト4にランクイン。ウェールズはもちろんのこと、世界中の人々を興奮させた。
ネイマールとベイルはクラブや代表は違えど、そこにいなくてはならないという価値と、世界中のサポーターを魅了するクオリティを持っている。 メッシとロナウドがいなくなった後も、この2人がサッカー界に存在していてくれる。この事実を知るだけで、私達はまた一つ重要なことを認識する。
私達は、これからもサッカーを好きでいられるのだ、と。