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【最強のライバル】FCバルセロナVSレアル・マドリードCFを比較

2017 6/30 12:56dada
FCバルセロナVSレアル・マドリードCF
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世界最高峰のライバル!バルセロナとマドリード

サッカー界にいくつも存在するクラブにおいて、FCバルセロナ(以下、バルセロナ)と、レアル・マドリードCF(以下、マドリード)ほど白熱するライバル関係はない。
リーガ・エスパニョーラの覇権、スペイン国王杯、世界一を決めるCL等、どんな試合においても、彼らは常にライバルよりも多い勝利を挙げるべくしのぎを削っている。
所属する選手のレベル、指揮する監督の采配、関心を寄せるサポーターの熱さ、市場に与える影響力の大きさのどれをとっても世界最高峰のレベルにある。
スポーツ界においても、彼らほど因縁のあるライバル関係は珍しい。彼らがぶつかる試合「クラシコ」は世界中のファンを虜にしている。

スペインの歴史がライバル関係を生んだ?

中世、カタルーニャと呼ばれる独立国があった。このカタルーニャはバルセロナを首都として大いに栄えた国であり、カタルーニャ語と呼ばれる独自の言語や文化、民族としての強い自我を持っていた。その後、カタルーニャは隣国と連合を形成し、スペイン同君連合が完成した。
カタルーニャという国は滅んだが、独自の文化を続けていたカタルーニャの人々が『スペイン国家(首都マドリード)』を意識しだしたのは、交通の便がよくなった近代に入ってからであった。スペイン国家が法や政治、文化などを首都マドリードの基準に統一しようと試みたのである。
一方的なマドリードの通知に、カタルーニャの人々は強い不信感をあらわにした。
ここから、バルセロナ対マドリードの対立が目立つようになった。それは政治だけでなくサッカーにまで及んでおり、バルセロナの有名なクラブスローガンとしてカタルーニャ語で「m?s que un club.(クラブ以上の存在)」と呼ばれるものがある。このスローガンには、「カタルーニャの人々の象徴として、生活と伝統を守り抜くことに注力する」といった意味が含まれている。
※バルセロナはカタルーニャ民族主義の象徴であるが、クラブ側はカタルーニャ独立運動に自制を促している

獲得タイトルはどちらに軍配?

両クラブの、2000年代に入ってからの2015-16シーズン終了時点までの獲得タイトル数を比べてみよう。 まずバルセロナはリーグタイトルを8回、スペイン国王杯(コパ・デル・レイ)を4回、CLを4回制している。
マドリードはリーグタイトルを5回、スペイン国王杯を2回、CLを3回制している。
これらの成績を見ると、如何にこの2クラブがスペインで力を振るっているかがわかる。そして今回とりあげた2001-16シーズンまでに限って言えば、若干ではあるがバルセロナの方が優位に立っているようだ。
ただ、両クラブのCLでの成績全体に関して言えば、マドリードが11回バルセロナが5回となり、大一番での強さはずば抜けているのかもしれない。

白熱するクラシコは一度は観るべき試合!

バルセロナとマドリードがぶつかるクラシコは、世界のあらゆるスポーツのなかでも特別な試合だ。世界中で数億人単位の人々が観戦し、どの行方を見守る。
リーグの1節に過ぎない試合でも、そこには前述しているクラブの歴史や誇りが入り交じり、白熱した試合を展開するのだ。
ちなみにクラシコという呼び名は、スペイン語の正式名称では「El Clasico(エル・クラシコ)」で、カタルーニャ語では「El Classic(エル・クラシック)」となる。日本語に直訳すると「伝統の一戦」を意味する。 日本のテレビ中継などでは、「伝統の一戦、クラシコ」、「世界最高峰の戦い、エル・クラシコ」などと呼ばれることが多いが、その呼び方に違いがあることは注意しておきたいところだ。バルセロナではクラシックと呼ぶのがベターかもしれない。※なお、当記事ではクラシコとする。
リーグ戦でのクラシコの対戦成績は、174試合でバルセロナが69勝33引き分け72敗となっている。設立当初は、マドリードに押されていたが20世紀後半から一気に追い上げているようだ。
試合内容は常に激しい。まるでこの試合に負ければすべてが水の泡になるかのような勢いで選手はプレーする。プレーの随所にクラブの為に勝つという信念が垣間見える。 試合途中に選手がヒートアップして衝突するような場面も珍しくない。
どのクラシコでも敗れた方は、深くピッチにうなだれ、勝った方は天を高く見上げる。スポーツの素晴らしさと儚さが同時に体験できるのがクラシコだ。サッカーに興味がない方でもぜひ一度は観ていただきたい。

MSNとBBC!陣容の厚さはどうなっている?

バルセロナにはMSNという世界最高峰の3トップがいる。リオネル・メッシ選手とルイス・スアレス選手とネイマール選手(いずれも以下、敬称略)は、相互に連携し相手ゴールに迫り、創造性のあるゲーム展開でゴールを量産していく。彼らの攻撃には軽快なリズムがある。
対するマドリードにも、カリム・ベンゼマ選手、ギャレス・ベイル選手、クリスティアーノ・ロナウド選手(いずれも以下、敬称略)からなるBBCという3トップがある。しかし、このBBCはバルセロナのMSNほど連携に秀でているわけではなく、MSNに対抗して名付けられたような格好だ。
しかし、ロナウドを筆頭とした突破力には恐ろしいほどの破壊力があり、やはりMSN同様に得点を重ねていくことができている。
中盤の陣容に関して言えば、どちらも選手過多になっているようだ。バルセロナはティキ・タカの哲学を貫くために、多くの選手を組み込み試しているようだ。しかし、2016-17シーズンに加入したアンドレ・ゴメス選手やデニス・スアレス選手は、いまひとつ適応することができておらず、結局はクラブ生え抜きのアンドレス・イニエスタ選手やイヴァン・ラキティッチ選手に頼らざるを得ない状況が続いている。
マドリードは10番ハメス・ロドリゲス選手の不審が継続中だが、その後ろにはイスコ選手やトニ・クロース選手、ルカ・モドリッチ選手、カゼミーロ選手らがおり、万全の構えだ。しかし、スペインの至宝と呼ばるマルコ・アセンシオ選手の出番が確保されておらず、テコ入れは必要だろう。
両クラブは、これからも高みを目指して歩みを続ける。バルセロナとマドリードの2大巨頭は、これからも世界中の多くの人々を熱狂させていくであろう。