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世界を走るギャレス・ベイル!ウェールズの星がゆく頂点への道

2017 6/30 12:56dada
ギャレス・ベイル
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ウェールズが生んだ至宝!ギャレス・ベイル

レアル・マドリードCF(以下、マドリード)でプレーするギャレス・ベイル選手(以下、敬称略)は、世界屈指のサッカー選手だ。
プレミアリーグのサウサンプトンFC(以下、サウサンプトン)、トッテナム・ホットスパーFC(以下、トッテナム)を経て自身のプレースタイルを変化させつつ、攻撃のセンスを磨いていった。彼の実力に疑いの余地はない。
プレミアリーグでの活躍経験が豊富な彼だが、生まれはウェールズのカーディフで同国の代表だ。ウェールズは代表戦では強豪として名前の挙がらない国ではあるものの、このベイルを筆頭とした活躍は注目されつつある。
特にEURO2016では、予選の段階で7得点を記録しウェールズ代表史上初の本大会出場をもたらした。本大会においても、直接FKを2試合連続で決めてグループステージを突破。ウェールズのここまでの活躍は予想だにしていないことで、多くの観客が熱狂した。この大会で名を挙げたハル・ロブソン=カヌ選手、アーセナルFCで活躍するアーロン・ラムジー選手らとの連携も見事であった。
ウェールズにはライアン・ギグス氏(以下、敬称略)というレジェンドがいる。彼はマンチェスター・ユナイテッドFC(以下、ユナイテッド)での活躍が著名であるが、実は元ウェールズ代表。歳を経るごとに中盤での司令塔としての働きが顕著にはなるものの、元はサイドアタッカーとして活躍していた。ベイルはギグスとプレースタイルが似ていることから、彼の後継者として比較されている。
ウェールズには稀に世界を驚かせるアタッカーが誕生する。イングランドの数多のクラブを渡り歩いたイアン・ラッシュ氏、そしてギグス、ベイルだ。尽きかけていたレジェンドの系譜は、ここにきてベイルにしっかりと受け継がれている。

ベイルは元々アタッカーではない?

ベイルは今でこそ、サイドの高い位置でプレーすることが当たり前になっているが、元々のポジションはこれほどまでに高くはなかった。
豊富なスタミナと爆発的なスプリントを持ち味としていた彼は、SBとしてプレーしていたのである。オーバーラップを繰り返し、味方の攻撃陣を追い越すような動きをしていた。
それがトッテナム在籍時から前線に顔を出す機会が増えるようになり、2012-13シーズン時にはトップ下でのプレーも増えていった。
無回転も可能な強烈なミドルシュートは彼の代名詞で、圧倒的なスピードを活かしてシャドーストライカーとして動くこともできた。機動力の高さでサイドに流れることや、守備に参加することもできる。
マドリードに移籍してからは右WGでかなり高い位置でプレーするようになったが、今でも守備に参加させれば、過去の経験が発揮されることだろう。

マドリードへの移籍!ロナウドとのガチンコ対決は?

ベイルは2013-14シーズンにマドリードへ移籍。移籍金の額は公式で公開されていないものの、120億円超えとされており、かつてユナイテッドからクリスティアーノ・ロナウド選手(以下、敬称略)を獲得した額を上回るとされている。
ロナウドは非常にプライドの高い選手で自身のプレースタイル、価値に絶対の自信を持っている。そんなロナウドを刺激しないために、額を非公開としたのだろう。ただ、移籍金の額は年々増加傾向にあるため、一概には言えない。
ベイルはトップ下や左サイドでプレーするのが基本だ。ただ、この位置にはすでにロナウドがいる。前述の通り彼のような選手からポジションを奪うことは難しいし、彼の実力・実績は十分だ。必然的にベイルは右サイドでプレーすることになる。
ベイルは左利きの選手であるため、マドリードに移籍後はサイドからカットインしてシュートを放つスタイルをとるようになった。トップの位置にはカリム・ベンゼマ選手(以下、敬称略)がいる。マドリードの前線には3人の世界最高峰レベルのアタッカーが揃い、宿敵バルセロナFCのMSNに倣い、BBCと呼ばれるようになった。

スプリンターの宿命?負傷の多いベイルとマドリード

ベイルのようなスプリンターには、筋肉や関節系の負傷離脱がつきものである。マドリードに加入後も負傷癖は治らず何度も離脱を繰り返している。その離脱の最中には、ルーカス・バスケス選手(以下、敬称略)らの台頭を促したこともある。バスケスはベイル以上に守備への貢献度が高く、評価を一気に高めている。
ベイルと似たようなジレンマを抱える選手には、アリエン・ロッベン選手(以下、敬称略)がいる。ロッベンもベイル同様に、爆発的なスプリント力や切れ味のあるカットイン、FK等を得意とする。その分消耗も激しく、幾度となく負傷離脱を経験している。
負傷離脱を繰り返しても、必ずピッチに戻ってくるのが彼らの凄い所だ。しかし、優勝を常に争うメガクラブの選手起用事情や、高い年俸を払っている台所事情としては、フル活用したいのが本音である。ベイルの負傷離脱が続くのは、マドリードにとっても大きな痛手だ。
マドリードは歳を重ねていくロナウドに代わるチームの柱を探し続けている。ロナウドのドリブルの切れ味は年々鈍くなっており、30代を迎えてからはサイドアタッカーというよりはトップの位置でフィニッシャーとしてのプレーが増えている。天性の感覚によりゴールを重ねることができてはいるものの、キャリアは終盤に向かっている。
そのような事情からも、ベイルはマドリードのこれからを担うサイドアタッカーであり、チームの柱として更なる飛躍が期待されている。
負傷離脱が重なっても、マドリードはベイルとの契約を2022年まで延長している。この先も共に歩むことを決めているのだ。

ベイルの移籍はあり得るのか?

ベイルはマドリードとの契約を2022年まで残しており、まだまだマドリードでのプレーが続く見込みだ。ただ、攻撃時にロナウドに対する遠慮やストレスがあることが以前から報じられており、プレミアリーグへの復帰説があるのも事実である。その場合、獲得を狙っているのはユナイテッドとの噂がある。
ユナイテッドは名将サー・アレックス・ファーガソン監督退任以降、結果を出すことができていない。監督の相次ぐ変更、度重なる高額な移籍を連発させても、いまひとつ嵌まることがないのだ。毎年のようにビッグネームの獲得を狙っており、2016-17シーズン夏の移籍では、ポール・ポグバ選手(以下、敬称略)を獲得した。しかし、ポグバも金額に見合った活躍は出せておらず、チームの刷新はこれからも続く見込みだ。
そこで白羽の矢が立っているのがベイルだ。マドリードへ移籍する前から熱視線を注いているとされるユナイテッドは、このアタッカーの獲得にやぶさかではない。
ベイルがマドリードでの状況に納得がいかず、環境を変えたがる可能性もある。 ウェールズの星である彼は、環境が変わっても多くの人々を明るく照らすことだろう。