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【ハンパない!】海外資本が流入した欧州サッカーチームまとめ

2016 11/29 21:30
サッカー
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Photo by Laszlo Szirtesi / Shutterstock.com

サッカー界における海外資本の流入にスポットを当てたいと思う。潤沢な資金を持つ企業が、次々に欧州サッカーチームの筆頭株主になっている昨今だが、これまでにどれだけの成果を残し、今後どのような展開を見せていくのかを紹介する。

【チェルシー】アブラモヴィッチ登場でプレミアリーグ激変!

海外資本流入の始まりとも言えるのが、2003年にチェルシーを買収したロシアのアヴラモヴィッチオーナーだ。
潤沢な資金は、10年近くの間に石油取引業を中心とするビジネスで築いたもの。日本円で200億円と言われた莫大な借金をポケットマネーで即返済。さらにベロンなど当時のトップクラスの選手や、当時新進気鋭の若手監督だったモウリーニョを1億ポンド以上かけて次々に補強した。また運営のキーマンとしてマンチェスター・ユナイテッドから、ピーター・ケニヨンCEOを引き抜くという荒業にも出た。
現場・フロント双方の強化に資金を惜しまず、これまでに投資した金額は日本円にして1400億円超。自身のオーナー就任以降、プレミアリーグ優勝が4回、2011-12シーズンには念願のチャンピオンズリーグ制覇を達成した。ルーブル危機も乗り切り、アブラモヴィッチ体制はまだまだ続きそうだ。

【マンチェスターシティ】UAE資本でマンチェスターの勢力図に変化

2008年、すでに外資系オーナーだったタイの元首相でもあるタクシンが、UAEの投資ファンドにオーナー権を売却。2009年から移籍市場を賑わせ大胆な選手補強に着手する。
前オーナーの時代からの主力だった選手を次々に放出し、テベスやコロ・トゥーレなどプレミアリーグで実績を積んでいた選手たちを獲得。翌年はダビド・シルバや、ヤヤ・トゥーレなど現在もチームの柱となる選手をスペインから呼び寄せた。マンチェスターには言わずと知れたユナイテッドが世界に名を轟かせていたが、シティは豊富な資金で実力者が並ぶ多国籍集団となり実力差が縮まっていく。
そして、2011-12シーズン。マンチェスターダービーで勝利を奪い、勢いに乗ったシティはそのままプレミアリーグ制覇を達成。遂にマンチェスターの勢力図を塗りかえることに成功したのだ。今シーズンからはグアルディオラが監督に就任。さらなる変化が期待される。

【パリ・サン=ジェルマン】カタール国営企業の支援でフランス最強に

フランスの名門も現在は海外系オーナーが所有している。2011年カタール投資庁の子会社が、クラブにおける株式の70%を購入したことで筆頭株主となった。
1年目はパストーレやメネズといった即戦力を補強、同年冬からはACミランやチェルシーを指揮したカルロ・アンチェロッティが監督の座についた。移籍市場での本領発揮は2012年だった。ナポリからラベッシ、ACミランからチアゴ・シウバ、イブラヒモヴィッチを獲得したのだ。攻守の要となるプレーヤーを獲得し、戦力の底上げに成功した。
このシーズン以降、国内リーグは4連覇中。開幕から独走態勢を築いて、あっという間に優勝を決めている。年間4億ユーロ近くの収入を誇って、経営基盤は磐石そのもの。今シーズンからはウナイ・エメリ監督を招聘(しょうへい)、ベン・アルファ、クリホヴィアク、ヘセなどの近年ブレイクした即戦力を手にして、彼岸のチャンピオンズリーグ初優勝を狙う。

【ACミラン&インテル】イタリアの名門も中国資本の経営体制に

この夏、ACミランとインテルというイタリアの名門2チームの経営体制に大きな変化が起こった。ACミランは国営企業を含む中国の企業コンソーシアムにクラブ株式の93.93%を売却することを発表。正式契約は今冬を予定。30年以上にわたりACミランを支えてきた、ベルルスコーニファミリーの時代は終息を迎えるが、今後2年で4億ユーロという、とてもありがたい投資をもとに新しく生まれ変わる。
また、インテルは中国の大規模家電量販店を経営する蘇寧グループに買収された。株式の70%を2億7000万ユーロで売りに出した形となっている。中国資本の「爆買い」はサッカー界でも大きな嵐を巻き起こしそうだ。

まとめ

イングランド・プレミアリーグを中心に、海外オーナーが欧州サッカークラブを所有するケースは増えつつある。中堅チームのみならず、ビッグクラブがその傘下に下ることも少なくなった。それだけサッカー強豪国とアジア中東各国の経済格差は少なくなっているようだ。ただの金満クラブになるのか、それとも立派なビッグクラブに変身を遂げるのか今後に注目だ。