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平成12年 J1鹿島が史上初の3冠【平成スポーツハイライト】

2019 1/8 07:00SPAIA編集部
サッカーボール,グランドⒸShutterstock.com
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トニーニョ・セレーゾが監督就任

Jリーグ、ヤマザキナビスコカップ(現ルヴァンカップ)、天皇杯の3タイトルを初めて同一年に独占したのが鹿島アントラーズだった。平成12年、現役時代にブラジル代表でジーコらと「黄金のカルテット」を形成したトニーニョ・セレーゾが監督に就任し、FW柳沢敦、鈴木隆行、中盤の小笠原満男、ビスマルク、DF秋田豊らの個性派メンバーを見事に機能させた。

住友金属が母体の鹿島は、当時国内最高峰の設備を誇ったカシマスタジアムを本拠地としてJリーグ創設時から参戦。ジーコやアルシンドの活躍により、初年度の平成5年1stステージでいきなり優勝した。以降も平成8年(1ステージ制)、9年1stステージ、10年2ndステージ(年間王者)で優勝。9年にはナビスコ杯と天皇杯のタイトルも獲得するなど、国内屈指の強豪クラブとしての地位を築いていた。

平成12年、1stステージは横浜F・マリノスが優勝。6月24日に開幕し、シドニー五輪とアジアカップを挟んで行われた2ndステージで鹿島は無類の強さを見せた。

最後は小笠原のボレーで3冠

2ndステージは1stステージ4位の柏、初優勝を狙うガンバ大阪との争いだった。

相馬直樹、秋田、ファビアーノ、名良橋晃のDF陣が安定感を発揮し、15試合でわずか1敗。最終節は西野朗監督率いる柏との直接対決で雌雄を決することになった。

スタンドが鹿島サポーターの赤色と柏サポーターの黄色に二分される異様な雰囲気。両チームとも死力を尽くした結果、スコアレスドローで鹿島が優勝を決めた。

12月には1stステージ優勝の横浜とホーム・アンド・アウェー方式のチャンピオンシップを戦い、2戦合計3-0で優勝。3度目の年間王者となった。

ナビスコカップでも進撃を続けた。鈴木隆行や平瀬智行がゴールを量産し、決勝は川崎フロンターレに2-0。中田浩二とビスマルクのゴールで、翌年からJ2降格するフロンターレを寄せ付けず、2つめのタイトルを獲得した。

残るは天皇杯。決勝の相手は清水だった。前半41分に小笠原のゴールで先制すると追いつかれ、後半4分に鈴木のゴールで勝ち越すと再び追いつかれる展開。しかし、最後は延長前半に小笠原のボレーが決まり、史上初の3冠を達成した。

歴代最多19冠の常勝クラブ

鹿島はその後も常勝クラブとして君臨している。平成19年からはリーグ3連覇を達成するなど、ここまで3大タイトルで歴代最多の19冠。「オリジナル10」と呼ばれるJリーグ初年度から参加している10クラブ中、一度もJ2降格していないのは鹿島と横浜だけだ。