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松本の初優勝でJ2全42節が終了、その結果決まったのは…

2018 11/19 17:00中山亮
サッカーボールⒸShutterstock.com
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大混戦のJ2最終節

最終節を前にして優勝チームだけでなく、自動昇格枠の2位以内が確定しているチームすら1つもないという大混戦となった2018年のJ2。

最終節の結果次第で優勝及び自動昇格圏に入る可能性を残していたのは、第41節終了時点で、1位松本、2位大分、3位町田(J1ライセンス未取得のためJ1昇格は不可)、4位横浜FCの4チームまで。プレーオフ進出枠となる6位以内の可能性を残しているのは、5位東京V、6位福岡、7位大宮となっていた。

迎えた最終節。1位松本は徳島と引き分けたものの、2位大分も山形と、3位町田も5位東京Vと引き分けに終わったため、松本が首位を守りきりJ2初優勝を飾った。さらに大分も2位となりこの2チームのJ1自動昇格が決定。

4位横浜FCは甲府に勝利し3位、4位には町田、プレーオフ圏外にいた大宮が岡山に勝利しプレーオフ圏内となる5位。東京Vが6位となり、プレーオフ圏内ギリギリにいた福岡は岐阜と引き分けたため、プレーオフ圏外となる7位転落という形で順位が確定した。

松本は4シーズンぶり2度目のJ1昇格。大分は2015年入れ替え戦で町田に敗れたためJ1経験クラブとして初のJ3リーグ降格となったが、今回の昇格で同時にJ3経験クラブとして初のJ1昇格も決めた。

首位松本が勝ち点77で、2位大分から4位町田までが松本からわずか1差となる勝ち点76で並び順位を分けたのは得失点差だ。

5位大宮と6位東京Vも勝ち点71で並び順位を分けたのも得失点差だった。最後の最後にプレーオフ圏外に落ちた福岡と東京Vとの勝ち点差もわずか1。1年間42試合を経た差がわずかこれだけというのも記録に残るシーズンだったと言えるだろう。

また、首位松本が奪った勝ち点77はJ2が22チームとなった2012年以降の首位チームでは最少であり、前年の降格チームが自動昇格枠に入ることができなかったのも2012年以降で初となった。

J2残留争いの結果は?

一方J2残留争いでは、最下位讃岐が京都に敗れ、熊本が愛媛に勝利したことで21位熊本、22位讃岐というJ3降格圏の順位も確定。

J3ではJ2ライセンスを取得している琉球が既に優勝を決めているため讃岐のJ3降格が決定した。

讃岐は四国リーグに所属していた2010年、北野誠監督を招聘し翌年にJFLへ昇格し、2013年には鳥取との入れ替え戦を制しJ2へ。2014年以降は何度も降格の危機を迎えながらもなんとかJ2残留を決めてきたが、ついにJ3降格となり9年間に渡って指揮をとった北野監督の退任も決定した。

一方、降格圏となる21位に終わった熊本だが、J2残留・J3降格は12月2日の最終節まで2試合を残すJ3の結果に委ねられることとなった。

熊本のJ2残留の条件は、J3で現在2位の鹿児島を勝ち点5差で追う、J2ライセンスを持たない4位の沼津が逆転で2位となった場合のみ。2位の鹿児島、勝ち点差3で鹿児島を追う3位群馬は、ともにJ2ライセンスを取得しているため、この2チームが2位となった場合、熊本のJ3降格が決定する。

J2の順位確定によりJ1の降格枠も決定

J2の最終順位が決定したことでJ1での残留争いも一部確定した。

決まったのは長崎。長崎はJ1ライセンスを持たない町田がJ2で2位以内に入った場合のみJ1残留の可能性があったが町田が最終的にJ2で4位となったため、J1から2チームが自動降格となることが決定。これにより既にJ1で17位以下となることが決定している長崎のJ2降格も確定となった。

そして土壇場に追い込まれたのが現在J1で17位の柏。柏は16位の名古屋とは勝ち点差4となっているため、残り2試合(対C大阪、対G大阪)で勝ち点4以上が必須。つまり1試合でも負けた時点で柏のJ2降格が決定する。

そして勝ち点37で並ぶ14位湘南、15位鳥栖、16位名古屋の3チームは柏に抜かれ17位となるとJ2降格。また16位となった場合でもJ2プレーオフを勝ち抜いたチームとの入れ替え戦を戦うこととなる。

J1の16位チームと対戦するのはJ2最終順位が3位横浜FC、5位大宮、6位東京V(4位町田はJ1ライセンス未取得のため不参加)の3チームで行われるJ1参入プレーオフの勝者。

J1参入プレーオフ1回戦は11月25日に大宮対東京V、2回戦は12月2日に1回戦の勝者対横浜FC。J1参入プレーオフ決定戦として、12月8日に2回戦の勝者対J1で16位となったチームとの入れ替え戦が行われる。