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守備が固い川崎Fと脆い横浜FM PAへの被侵入数から守備力を評価

2018 9/14 07:00SPAIA編集部
サッカーボールⒸShutterstock.com
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対戦相手にPA内でのプレーを最も許していないチームは川崎F

今季のJ1第25節終了時において、対戦相手にペナルティエリアでのプレーを許した数が最も少ないのは川崎フロンターレで、1試合あたり15.7回となっている。川崎はリーグ最少タイとなる19失点を筆頭に、被シュート数(8.9本)や被クロス数(12.4本)もリーグ最少に抑えている。

またペナルティエリア両サイドについても、(守備側から見て)左のサイドは18.8回でリーグ3番目に少なく、右サイド(17.3回)も5番目と高いレベルで安定している。川崎は57.5%の高いボール保持率で相手の攻撃機会を奪っていることがうかがえる。

次に少ないのが浦和レッズ。失点数はリーグで4番目に低い25失点。被シュート数はリーグ3番目(10.8本)、被クロス数(13.0)と被スルーパス数(13.0本)はともにリーグ2番目に低い数値となっている。浦和も川崎同様高いレベルで安定している。

浦和の場合、特にオリヴェイラ監督が就任以降は、高い位置から奪いに行くというよりも、自陣でブロックを作る形を主にしている。順位は9位と苦しんではいるが、守備に関してはきっちりと守れているとも言える。

一方で19.3回しかペナルティエリア内への侵入を許していない横浜F・マリノスは、被ペナルティエリアプレー数こそ少ないものの、失点数がリーグ17位となる42失点を喫している。ボール保持率がリーグトップの58.7%を記録していることを考えると、カウンターを受け一気にペナルティエリア内への侵入を許し、失点を重ねていると考えられる。

対戦相手に最もPA内でのプレーを許しているのはG大阪

対戦相手のペナルティエリア内プレー数が最も多いのはガンバ大阪で28.2回を記録している。さらに当然とも言えるが被シュート数もリーグワーストの16.5本。これだけペナルティエリア内でプレーをされ、これだけ相手にシュートを許しながらも失点数をリーグ12位の34失点で抑えることができているのは、日本代表GK東口順昭の存在がかなり大きい。

ちなみにG大阪は、被クロス数がリーグ16位となる18.2本、被スルーパスもリーグ16位となる17.3回となっており、様々な形でボックス内にボールを運ばれてしまっていることがわかる。

G大阪はちょうどシーズン折返しとなる第17節終了のタイミングで監督を交代。宮本恒靖氏が就任したが、第17節までの被ペナルティエリア内プレー数が27.1回で、第18節〜第25節までで30.6回と、この項目自体は良くなるどころか悪化しているのが現状だ。

シーズンの前半・後半で大きく変動しているのは磐田とC大阪

ジュビロ磐田は第17節までの前半戦では17.0回に抑えていたが、第18節〜第25節の後半戦では24.6回と増加している。

一方で、守備面が改善されたのはC大阪。前半戦では23.7回だったが、後半戦では20.1回に減少。これは第21節の札幌戦からフォーメーションを3バックに代えたことが大きく影響しているといえる。

ペナルティエリア内は即失点につながるエリア。ここで相手に自由にプレーさせているということは、守備の形としては決して良いとは言えない。対戦相手のペナルティエリア内プレー数が多いチームは守備の改善が必要だと言えるだろう。