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名古屋の大爆発でJ1残留争いが激化

2018 9/9 07:00SPAIA編集部
サッカーボールⒸShutterstock.com
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残留に向けて大きく進みだした名古屋

今季のJ1残留争いが大きく激化した理由は、後半戦に入ってからの名古屋グランパスの大爆発だろう。17試合でわずか2勝しかあげることができていなかったチームが、シーズン折返しから7連勝。1試合少ないながら(第18節が未消化)順位を11位にまで上げた。

牽引しているのは後半戦出場5試合で12得点とゴールを量産しているジョー。 日本のサッカーやチームに慣れたこともあるだろうが、ペナルティエリア付近でのプレー数が前半戦の一試合平均6.8回から後半戦は9.7回と増加。その中でもペナルティエリア内でのプレー数は5.3回から7.0回に大きく伸びた。

名古屋はまだ広島、川崎F、FC東京、札幌、神戸、C大阪と上位6チームとの対戦を残しているのでまだ安心できる状況ではないが、チームが良い方向に回り始めているのはポジティブな要素だろう。

光が見えてきた鳥栖

折返し時点では15位だったV・ファーレン長崎が最下位18位に、16位だったガンバ大阪が17位に、17位だったサガン鳥栖も入れ替え戦となる16位にとどまっている。

この中で最も上向きなのが鳥栖。怪我人が続出しシーズン序盤から苦しんでいた。鳥栖の英雄・豊田陽平が復帰、さらにフェルナンド・トーレス、金崎夢生を獲得したものの、なかなかフィットせずに得点力につなげられなかった。

しかし、天皇杯3回戦でトーレスが加入後初ゴールを決め神戸に勝利すると、第24節のガンバ大阪戦ではトーレス、金崎のアベックゴールでこちらも快勝した。後半戦リーグワースト8.6本のシュートだった攻撃陣が徐々に勢いに乗りつつある。

守備でも、後半戦ではリーグ最少となる5失点に抑えており、巻き返しの態勢が整ったとみていいだろう。

厳しい状況が続く長崎

一方で厳しい状況となっているのが長崎だ。

シーズン後半戦は1勝1分6敗と勝ち点わずか「3」。 中断期間に高木監督はボールを保持からでも攻撃の形を作れるようトレーニングを行い、後半戦に入り中盤でのプレーは安定してきたが、敵陣で思うような動きができず、シュート数はリーグワースト2番目の10.25本。相手ゴールに迫ることができずにいる。

コンディション的に厳しくなる夏場にかけて運動量が落ちており、涼しくなった秋以降にシーズン序盤の運動量どれだけ取り戻せるかがポイントになるだろう。

G大阪は今野泰幸復帰で流れが変わるか

17位のG大阪も厳しい状況に変わりはない。

シーズン折返しのタイミングで宮本監督が就任し、最初の2試合で引き分けたものの後半戦は2勝3分3敗と低迷が続いている。

G大阪はの課題は守備だ。後半戦7試合で2番目に多い12失点を喫しているのはもちろんだが、被シュート数15.8本はリーグワースト。自陣ペナルティエリア付近まで攻め込まれる回数も多い。

長期離脱していた今野泰幸の復帰で川崎戦は後半戦初の完封勝利。この白星を転換点としたい。

史上最多の残留ラインも

例年であれば全く勝ち点をあげられないチームがいくつかあり、残留争いは勝ち点30程度で繰り広げられることが多いのだが、今季は残り9試合を残した段階で16位のサガン鳥栖が既に勝ち点26を獲得。史上最多の残留ラインとなった2012年の勝ち点40をも上回る大混戦に発展する可能性もある。

勝ち点40以上となれば、ここまで挙げた3チーム以外も決して安心できるような状況ではない。