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大混戦のACL圏争い J13位までの勝ち点6差に6チーム

2018 9/8 07:00SPAIA編集部
サッカーボールⒸShutterstock.com
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ペースダウンした上位陣、復調の鍵は

シーズン前半戦を2位で折り返し首位広島を追いかける1番手だったFC東京が夏場に入り急激にペースダウン。後半戦は2勝2分4敗で勝ち点を8しか積み上げることが出来ていない。

苦しんでいる要因の1つが先制点を奪われる試合が増えていること。前半18試合で3度しかなかったが、後半戦の8試合では4度の先制を許している。

失点そのものは増えておらず、前後半戦通して3番目に少ないチームだ。後半戦に入ってからは被シュート数もリーグで2番目に少ない1試合平均10本(リーグ平均13.2回/試合)と守備は機能している。

一方で攻撃ではシュート数が増えているのに枠内シュート数が減少している。

長谷川新監督率いる今季のFC東京は運動量を主体にした縦に速いサッカーを志向することに加え、FWにも前線から献身的な動きが求められる。そのため運動量と暑さで体力を奪われた前線が夏場以前の動きが出来なくなっている可能性がある。

昨季のG大阪と同様に夏場で失速してしまった長谷川FC東京。涼しくなってきた秋以降にどれだけペースを上げることができるかがポイントとなりそうだ。

3位に肉薄した札幌、C大阪

FC東京がペースを落とす中、着々と勝ち点を積み上げてきたのがシーズン折返し時点で4位、5位にいた札幌、C大阪だ。後半戦に入り札幌は4勝2分1敗(第18節が未消化のため1試合少ない)勝ち点41、C大阪も3勝3分2敗、勝ち点39と、「7」だった差を1勝分まで詰めることに成功した。

ただ、北海道コンサドーレ札幌は被シュートの多さが気になるところ。後半戦17.0本はワースト1位となっている。当然、先制される試合も多い。順位を上げるにはもう少し試合をコントロールする時間を増やしたいところだろう。

一方のセレッソ大阪は、柿谷、山村、ヤン・ドンヒョンと前線の選手に怪我人が続出しなければ今頃は順位が入れ替わっていたかもしれない。布陣を3-4-2-1に変更したが、敵陣で思うように動けず攻めきれない試合が続いた。

C大阪の巻き返しには怪我人の復帰が待たれる。

イニエスタ加入で注目の神戸、クラブ史上初のACLなるか

7位のヴィッセル神戸はイニエスタの加入もあり大きな話題を集めている。

第17節から出場をはじめたが、その実力はホンモノ。ピッチ内でずば抜けた存在感を発揮。チームにもポゼッションスタイルが定着してきた。

課題は得点力。今はアシスト役に回っているポドルスキや1トップのウェリントンがシュートに持っていく形を構築できればクラブ史上初のACLも夢ではない。

鹿島の逆転ACL出場には新外国人選手の爆発が不可欠

一時は2桁順位にまで落ちていた鹿島アントラーズ。3位と勝ち点差6の8位まで順位を上げてきた。金崎、植田と主力2人が移籍し、さらには前半戦最終戦で昌子も怪我で離脱となったのは計算外だった。

守備に関しては金崎と入れ替わりで鳥栖から加入したチョン・スンヒョンが、第20節からスタメンフル出場することで何とかカバーしているが、取り戻せていないのは攻撃面。

スルーパスでペナルティエリアの左右に入ることが出来ているが、クロスが通らずペナルティエリア内で勝負することが出来ていない。

新加入のセルジーニョが刺激となれるか。

仙台に必要なのは安定感

3位のFC東京と勝ち点差4で6位のベガルタ仙台。後半戦で課題となっているのは逆転負けの多さ。

原因は下がり気味の守備だ。下がっての守備自体に問題はない。仙台はもともとボール保持率は高くなく、相手が出てきた後のスペースを突くのが非常に上手いチームでもある。

しかしあまりにも下がりすぎるとやはり危険。第21節から3連勝したがようやくコンディションを戻したGKシュミット・ダニエルの活躍が目立った様に、多くのシュートを打たれてしまっていた。上位争いに加わるにはここの改善が必要となるだろう。

またさらに、今季チームのエースに成長した西村のCSKAモスクワ移籍が決定。この夏に加入したハーフナー・マイクの奮起が求められる。