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Jリーグ最大のビッグディール!イニエスタ&トーレス獲得の影響力

2018 8/2 07:00SPAIA編集部
アンドレス・イニエスタ,ⒸShutterstock.com
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イニエスタ&トーレス!Jリーグ最大のビッグディール

アンドレス・イニエスタとフェルナンド・トーレスのJリーグ挑戦は非常に大きなニュースとなった。

前者はFCバルセロナ一筋で、後者はリヴァプールFCやチェルシーFC、アトレティコ・マドリードなどで活躍し、プレーの質の高さ、キャリアの充実度は申し分ない。

どちらの選手も中国やアメリカ行きが噂されていた。しかし彼らのハートを最終的に射止めたのはJリーグ……!この2人の獲得は近年のJリーグ最大のビッグディールだ。

影響1,得点力以外の重要性を見せ、気づかせてくれる

近年のJリーグではディエゴ・フォルラン(2014年)、ビクトル・イバルボ(2017年)、ルーカス・ポドルスキ(2017年)などの外国人選手を獲得してきた。彼らはいずれもゴールに迫ることに特化しており、Jリーグで求められたのは得点力だ。

しかし、イニエスタとトーレスは彼らとは異なる。リヴァプール時代のトーレスは得点力を爆発させたが、その後はポストプレーの質を高め味方のスペースをつくるようになる。中盤で黒子としてプレーを貫いたイニエスタは、自身のエゴを極限まで押し殺しゲームをつくり続けた。メッシの活躍も、彼なしではなかったのかもしれない。



得点力で魅せるのではなく、味方を活かすプレーで魅せるのが彼らのスタイルなのだ。得点力を活かす選手が与える影響力は限られている。しかし、この2人が見せるビジョンは他の選手にも伝播する。

どこでボールを受けドリブルをすれば、味方のためのスペースが空くのか。どこへパスを出しフリーランすれば、相手のラインコントロールを崩せるのか。そうした1手、2手先を考え読む重要性を”気づかせる”のが、イニエスタとトーレスだろう。

サガン鳥栖やヴィッセル神戸の同僚、そしてこの2選手と対戦するすべてのJリーガーは大きな学びを得る。

影響2,今こそJリーグ!観客動員数も上向きか

定期的にJリーグに大物選手がやってくる一方で、その人気は低迷し続けてきた。

J1リーグの1試合平均観客動員数は、2012年から2016年までの5年間にわたり17,000人台から抜け出せなかった。それでも2017年にはそれが18,883人となり、2016年の17,968人からの大幅な成長を見せた。次に目指すは20,000人超えだろう。ちなみに2017年にポドルスキがやってきた神戸は、1試合平均17,018人(2016年)から18,272人に伸びている。

スタジアムの規模問題もあるが、やはり外国人選手を獲得することでJリーグ全体の観客動員数の直接的な増加に繋げたい。イニエスタとトーレスであればポドルスキ以上の影響力が期待できる。彼らの出場が期待される試合のチケットは完売が相次ぎ、「ありがトーレス」、「ほんトーレス」などのユニークな宣伝活動も注目を集めている。

影響3,前例をつくった2人!今後の外国人選手獲得も後押しか

イニエスタとトーレスのJリーグ参戦は日本だけでなく海外でも話題になっている。すでに伝えた通り2人のキャリアは輝かしいもので、イニエスタに至っては世界最高のインサイドMFと呼び声も高い。

「イニエスタがJリーグに行った」という事実は他の有名外国人選手の脳裏に焼き付き、彼らがJリーグ移籍を検討する際の好材料になる。また、彼らを獲得したJリーグのクラブは「あのイニエスタも獲った」という事実が大きな自信となり、交渉の際にも「Jリーグにいればトーレスとボールを競り合えるぞ」と引き合いに出すことができる。神戸に限っては「イニエスタとパス練習ができる」「イニエスタと同じ釜の飯を食える」と誘うのも悪くないだろう。

いずれにせよイニエスタとトーレスの存在価値は極めて大きいため、その影響力は彼らが在籍している今この時は勿論、いつしか彼らがいなくなった後にも残り続けると思われる。

恩恵にあやかるなら今しかない

イニエスタとトーレスの恩恵にあやかるなら今だろう。

「日本人らしいサッカーを」「Jリーグならではの生存戦略を」と考えるファンも多いだろう。しかし、彼らの存在は日本サッカーにとって間違いなくプラスに働き、それは今回紹介したプレーや集客、選手補強など多岐にわたり今後の成長に欠かせないものだ。

世界を見てきた偉大なスターがいるJリーグ。今しばらくはこの熱狂のなかに身を投じていたい。